夏の野に　我が見し花は　黄葉（もみじ）たりけり

奈良時代の中葉、藤原仲麻呂は、次々と政敵を排除して権力を確立し、まさに「抜山蓋世」を実感します。
絶対と思えた権力でしたが、孝謙太上天皇と不和になることで綻びを見せるようになります。仲麻呂は、太上天皇と反対派を一掃し、権力を再構築して息子たちに渡そうとしますが、謀反と認定されてみじめな最期を迎えます。
この小説は、天皇をもしのぐ権勢を誇った藤原仲麻呂の成功と挫折を描いた創作です。権力闘争なので多くの人が出ますが、仲麻呂だけに注目して下さい。
この小説は、おおむね史実と合っています。