第48話 突入準備


「第315魔装化機動大隊! アルバレス中尉、エクシリア特務尉官を除き、近距離戦闘準備完了しました!!」


「ご苦労、ナスタチウム中尉、親愛なる共産主義者コミーからはあれもちゃんとお借りできたか?」


「もちろんです、連中の集積所があった場所には予想通り大量のプラスチック爆薬がありました。根っこに蹴散らされていましたが、ある程度を拝借できました」


 ユグドラシルの苗木を前に、現在我々は突入準備をしていた。

 行動不能のテオは、アルバレス中尉が付き添って輸送ヘリで帝都へ。

 大隊は少佐の指示で、苗木に蹴散らされた連邦軍の集積所から爆薬をお借りしていた(返すとは言っていない)。


 用意された武器は、分速800発を誇るサブマシンガン。

 9ミリパラベラム弾を使用し、ダットサイトとウェポンライト。伸縮式ストックが付いている。


 それに加え、絶大な破壊力を誇るフルオートショットガン。

 破片防止用にゴーグルも装着済みだ。


 これらは、最初に送り届けてくれたヘリが置いていった、市街地攻略戦用の補給物資から持ってきている。


「よろしい、爆薬は全員で分担して持つよう。ではベルセリオン特務尉官、世界樹下部の説明を頼む」


 少佐の横へ出たベルセリオンは、他の隊員と同じくサブマシンガンを装備しながら、説明を開始した。


「世界樹の下部はちょっとした迷宮になっていて、近距離での戦闘が予想される。我々の破壊目標は下方中心に位置するコアだ。そこさえ壊せば、神壁は完全に無力化できるだろう」


 情報は銃をも凌駕する最強の武器だ、元執行者がこうして情報を提供してくれる時点で、計り知れないアドバンテージが生まれる。


「コア自体に神壁は無いから、護衛を蹴散らせば、あとは爆薬でも十分破壊できる」


「っということだ、本国からも攻撃が許可された。CQB(近接戦闘)になると思われるが、やることはいつもと変わらない。――――殲滅だ」


 315レーヴァテイン大隊は歩を進める、史上初めての世界樹地下ダンジョン、その攻略作戦が開始されたのだ。


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