第16話 情勢報告Ⅰ


『――内容:現状報告』


 神歴1203年 7月7日。

 【テオドール帝国】は、レクトルもとい【神界アスガル】への宣戦を布告した模様。

 以下は、直後に取った帝国の行動である。


 ○膠着していた北方戦線へ、"歩兵"並びに"戦車師団"を複数追加配備。

 ○砲弾、ミサイル、大陸共通弾薬の増産を決定。

 ○ミハイル連邦にアスガルへの宣戦布告を要請。


 ――


 翌7月8日

【ミハイル連邦 党中央委員会】は、【神界アスガル】へ宣戦布告を決定。共産主義者が帝国と共同歩調を取るなど、誰が考えただろうか。

 以下は、連邦が取った一連の行動である。


 ○戦線に"歩兵"、"戦車師団"を複数追加配備。

 ○我が秋津国に対し、シベリアーナ鉄道経由での支援を要請。


 これらを受け、我が秋津国、並びにオリヴィア合衆国は、同交戦国への支援強化を表明した。

 しかし、本国への直接的脅威は未だ無いとし、2国は引き続き間接的支援のみに留まる方針だろう。


 尚(なお)、現在最も戦線に近い街である【グランソフィア】では、ワイバーン級レクトルが浸透しているとの情報あり。

 現地の邦人に退去命令を発令されたし。


 ――在テオドール帝国駐在武官兼、秋津陸軍 大陸情勢報告担当官。山城やましろ鉄矢てつや中佐より。



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