概要
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!夜に読みたい。黒猫ムギさんと行く、物語の小旅行。
主人公の僕と黒猫のムギさんが、機関車に引かれた喫茶店に乗り、日帰りでさまざまな場所を旅していく物語。
喫茶店は本棚があるブック・カフェで、本をめくる音が静かに響いてくるような雰囲気に包まれています。また、コーヒーの匂いや美味しそうな料理の香りも漂ってきそうで、素敵な空間の中で物語が進んでいきます。
「まったく君って奴は」が口癖のムギさんと純朴な僕の会話が面白く、ゆったりと力を抜いて楽しめました。
それぞれの話は一話完結で、笑える話や不思議な話、深い話や泣ける話などさまざま。個性的なキャラクターもたくさん登場します。時には、世界の見方がちょっぴり変わることも?
一日の終わりにそっとページ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!何度でも読み返したくなる、ふしぎですてきな夜の旅
家族のために強い男になりたいと願う少年が、人間の言葉を話すツヤツヤ毛並みの黒猫ムギさんと一緒に、コーヒーを飲みながらゆったりと夜を旅するすこしふしぎでとっても可愛い物語です。
ひとつひとつのエピソードは短くてサクッと読めるのに、得られる読後感はそのお手軽さに大きく反比例しているように感じました。
読むほどに物語のあたたかな空気が流れ込んできて、心の中を換気してもらっているような心地よさがどんどん強くなっていくのです。
私は「ムギさんとチャーハン」のエピソードで、心の空気が綺麗なものに入れ替わったのを感じました。そこからはもうひたすら、心の風通しが良くなる一方です。
少年とムギさんのやり取…続きを読む - ★★★ Excellent!!!とびきり居心地のいいブック・カフェ、夜空の線路を運行中です
大人の男に憧れる「僕」は、物知りなムギさんに相談した。
母や妹を守れるくらい強くなるため旅に出てみたい、と。
ムギさんは、銀河鉄道の喫茶室に夜毎、乗車することを提案した。
ちなみに、ムギさんは、夜になると人の言葉をしゃべる黒猫だ。
夜空を翔けるふしぎな列車のブック・カフェを舞台に、
やさしい言葉で織り成される童話風味のショートショート集。
読書の供、旅の供として、コーヒーやまかないが折々に登場し、
「僕」とムギさんは風変わりで素敵なヒトビトと出会っていく。
小学生のころに好きだった童話や児童文学を思い出した。
日常のワンシーンを切り取って、すこしのふしぎで味付けする、
そんな物語が大好き…続きを読む - ★★★ Excellent!!!トレインカフェが運ぶ、旅する少年と猫
へへへ……面白かった!
本作は、少年とお話のできる猫とが、列車に付属したカフェに乗り込んで、夜ごと旅するストーリー。カフェにはマスターとシェフ。そして色んなお客さんがやってくる。時には下車して異邦を訪ねることもある。
少年はまだ幼く、一人立ちしたいと思っていても、その方法を充分にはわからない年頃。話し相手の猫のムギに、夜な夜な幻想的な世界に連れて行ってもらう。そのなかで、いわゆる「大人の世界」へと一歩一歩認識を深めていく。賑やかな登場キャラクターとのやりとりのあと、少年がふと考え、ムギと対話する。この流れがとっても面白かったです。
少年が思索するに到るような、ストーリーを彩る登場キャラ…続きを読む