第15話「皆でなんとかするにゃ」
「あんたの相手は俺だ! って勢いで言ってしまったがまともにやったら先生が怪我しちゃうよ」
ー ほれ政彦。これをとれ ー
彦右衛門様の声がしたと思ったら目の前に家宝の剣が現れた。
だけど
「これじゃ余計に傷つけて、ていうか死んじゃいますよ!」
ー 政彦、お主は結構うちに伝わる文献を読んでるであろう? 妖魔に関わる事もな ー
彦右衛門様がそう言った。
「え・・・・・・あ!? けど先生に憑いてるのは妖魔じゃなくて宇宙人ですよ?」
- 拙者の見立てではあやつらは妖魔に似た性質を持ってるぞ。だからその剣でなら斬れるはずだ ー
「そ、そうなんですか? それなら・・・・・・」
「何ブツブツ言ってんのよ。さあ、あたしがこの手でイカセてあげるわ」
「おい、何か意味が違うように聞こえるぞ」
「ダメにゃー! 政彦はあたしが口でイカセるんだにゃー!」
マウが飛んできて俺のズボンを脱がそうとした。
「ゴラー! そんな事より奈美と光をー!」
「もう助けたわよ」
「へ?」
見るとラッテが奈美と光を連れて来てた。
そしてクラスメイト達は皆倒れていた。
「ラッテ、皆は?」
「彼等は大丈夫よ。ウイル星人達は直接精神に強い衝撃を与えて動けなくしておいたわ」
「強い衝撃?」
「ええ。取り憑いてたやつらは全員男だったんで、私とマウでいきなり前見せしてあげたら・・・・・・あいつらってウブねえ」
おい! その伝説の技をお前らがやったら洒落にならんわー!
「てか光、あんた見たくせによく倒れなかったわね」
奈美が光に尋ねると
「平気じゃなかったけど、なんとか・・・・・・しかしマウさんもラッテさんも人間じゃないのに、体つきは人間そのものだね」
え?
「おい光、何故その事を!?」
「最初から知ってたよ。だってご先祖様に教えてもらってたから」
光はさらっと言ったが、ご先祖様?
「あのさあー、無視しないでくれる?」
先生に憑いてるウイル星人が声をかけてきた。
あ、そうだった。
よし、改めて・・・・・・
「てりゃああ!」
俺は剣を先生の前に振り下ろした。
ズバアッ!
先生の体には当たってないが何か手応えがあった。
「え? う、嘘? ・・・・・・ギャアアアーーー!」
先生の体から黒い霧のようなものが吹き出て・・・・・・そして消えた。
「や、やった!」
「喜ぶのはまだ早いわよ。皆に憑いてる奴らも消さないと」
奈美が俺にそう言った時
- 奈美よ。政彦が一人一人やってたら時間が掛かり過ぎる。だからお主がまとめてやってやれ ー
「え、誰!?」
奈美はその声に驚いていた。
「この声は彦右衛門様。俺達のご先祖様だよ」
「あ、ご、ご先祖様? でも私に何ができるんですか?」
- お主には妖魔を消し去る力が眠っているのだ。それを皆に使えばいい ー
ー ただ今のお主では動き回るものにはうまく当てられないであろう。だから今のうちにやるのだ -
「え、ええ。でもその力ってどうやって出せばいいんですか?」
ー あ~……それはマウ殿にやってもらえばいいのだが……うむ、大丈夫だとは思うが -
「彦右衛門様、まさかマウのあれで?」
- ……今はそれ以外に方法がない。奈美ではその刀を取っても力が解放されないからなあ。さ、早くせんと異星人達が目覚めてしまうぞ -
「え? いったい何?」
「・・・・・・マウ、奈美の力を起こしてくれ。アレで」
「わかったにゃー!」
マウは上着を脱いで胸を露わにした。
「え!? ちょっとマウさん何してんのよ!?」
「にゃあー!」
マウは奈美の顔を自分の胸に押しつけて挟み込んで・・・・・・ぱふぱふし始めた。
「奈美、耐えろよ!」
「え・・・・・・あ、はぁん♡」
奈美は気持ち良さそうにしていた。
そして・・・・・・
奈美の体が光り輝きだした。
「え、何か私の中から力が溢れてくるような?」
- さあ、それを皆に向けて放つのだ -
「あ、はい!」
奈美は皆に向けて手を掲げた。
するとその手から光が出て皆を照らした。
ギャアアア------!!
皆の体から黒い霧のようなものが出て・・・・・・消えていった。
「嘘・・・・・・私にこんな事ができるなんて」
奈美は信じられないという表情だった。
- うむ。これでこの先もなんとかなるだろうな -
「彦右衛門様、まだああいう侵略者がいるんですか?」
- ああ。あやつらよりもっと強力なものがいるはずだ -
「そうですか・・・・・・でも俺や奈美やマウ、ラッテでなんとか」
- それに光君もな。聞こえているのであろう? -
「はい。僕も政彦達と一緒に戦いますよ」
光がそう言った。
「・・・・・・なあ光、お前っていったい? それにご先祖様って誰?」
「ふふ、僕の母方の祖先はねえ。君もマウス星人と戦った時に会ってるだろ?」
え?
・・・・・・ま、まさか!?
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