第4話「こうするんだにゃー!」

「シャアーーーー!!」


 マウは叫びながら猛スピードでマウス星人達に突撃していき


「ギャアア!」

 あるものはマウに喉笛を噛まれ


「ぐああ!」

 またあるものは爪で全身を掻かれ


「ビャアアア!?」

 またまたあるものは電気あんまを食らわされ・・・・・・


 あっという間に残ったのはラッテだけとなった。

「な……? ここにいた者は全員データにあったマウより強いはずの猛者だったのに?」

 ラッテはマウの強さが自分達の情報以上であった事に驚いていた。


「さ~、後はあんただけにゃ~、そしてさっさと政彦にペロペロするにゃ~」

 マウはヨダレを垂らしながら言った。

「ぐ・・・・・・こ、こうなったら空母にある超ミサイルで、この国周辺ごとお前を消し飛ばしてやるわ!」

 ラッテがそう言うと

「何だって!? そんなもんがあるのかよ!?」

 たけさんの応急手当をしていた政彦が叫んだ。

「ああ、地球を損傷させるのは不本意だが仕方ない。では覚悟しろ!」

 そう言ってラッテは懐から取り出したスイッチを押した。


 ゴゴゴ・・・・・・

 空の上で何かが動いた音がした。

「フフフ、これでおおよそ10分でミサイルが発射されるわ」

「ええ!? てかここにいたらあんたも死ぬだろが!?」

 政彦はラッテの方を見て叫ぶと

「逃げられても困るから最後までマウを押さえるわ、全軍で」

 ラッテがそう答えると新手のマウス星人が現れた。

「そ、そんな・・・・・・マウさん、どうす・・・・・・おい」

 政彦は気がついたらシャツを脱がされて上半身裸にされ、身につけているものはトランクスのみとなっていた。

「にゃ~、もう助からないにゃ、なら最後にやらないかにゃ?」

 マウは息遣いを荒くして言った。

「・・・・・・おい、あんた本当はなんとか出来るんじゃないのか?」

「あれはあたしでも無理にゃ、気配でわかるにゃ」

「マジかよ・・・・・・」


「逃げないならナニをしようが止めないわ。好きにしなさいな」

 ラッテはそう言ってその場に座り込んだ。


「政彦、さ、あたしと(ズキューン!)しよ」

「もうこの際だし・・・・・・って最後まで諦めてたまるか! 何か手は」

 政彦が叫ぶと


「の、のう政彦、嬢ちゃんや」

 たけさんが息も絶え絶えの状態で話しかけてきた。

「あ、たけさん!? 気がついたのかよ!?」

「さっきな。それはそうとな、まだ手はあると思うぞい」

「え? どんな手?」

「嬢ちゃん、政彦の力を起こす事はできんかのう?」

 たけさんがマウに尋ねた。

「にゃ? ・・・・・・うーん、できなくはないけどにゃ~、ちょっと方法が」

「この際どんな方法でもええわい、本当に政彦にも嬢ちゃんと同じくらいの力があるなら、二人がかりでミサイルを跳ね返せるんじゃないかのう?」

「でもにゃあ・・・・・・」

 マウは何か躊躇っているようだった。

「なあマウさん! できるならならやってよ! 俺どんな事があっても耐えるからさ!」

「・・・・・・本当にいいのかにゃ? 耐えれる?」

「ああ」

「じゃあやるにゃ、えい」

 そう言ってマウは巫女装束の白衣を脱ぎ、意外に大きくて形の良い胸を露わにする。

「うわああ!? な、何するんだよーーーー!?」

「こうするんだにゃー!」


 そう言ってマウはその胸を政彦の顔に押しけて挟み込んだ。

 まあ、いわゆる「ぱふぱふ」ってやつで・・・・・・


「ふおお!?」

 政彦は不覚にもいい気持ちになってしまった。

「これすると相手が昇天しちゃうんだにゃー、だから耐えてほしいにゃー」


 ぐ・・・・・・これはたしかに・・・・・・だが耐えてみせるぜ!


 

 政彦は意識が飛ばないように踏ん張った!

 そしてそれが終わった時・・・・・・




 特に何も起こらなかった。

「・・・・・・おい、どうなってんだ?」

「ありゃ? おかしいにゃー?」

「嬢ちゃん、死にゆく年寄りの頼みじゃ。わしにも」

 ドゴオ!

 マウはたけさんを踏みつけた。


 ラッテ達マウス星人はそれを見て呆れていた。

「・・・・・・まあ、あと5分ね」




 さすがにこれは出ていってもいいだろうな。



 どこかで渋い男性のような声がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る