概要
ある日、授業に身が入らない修也の姿を見た担任からレゾヌマン(推理対決)を強いられ、しかも敗北した場合は退学と告げられてしまう。レゾヌマンで勝利を勝ち取り、修也は退学を免れるのか!?
これは、『名探偵』を目指す少年の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!大切なのは才能よりも諦めない心
少年漫画を思わせる熱い展開に、ミステリーの要素も満載。
何よりキャラクターが生き生きと描かれている!
舞台は現代をベースとした、名探偵が名誉職という世界。名探偵には使い魔が付くというファンタジックな設定もありますが、上手く混ざり合っていて違和感がありません。
そう思わせる要因は、本作の持ち味であるコミカルさでしょう。
主人公の修也を始め、ヒロインの千鶴、お目付け役のエル、その他のキャラクター全てが個性的で、彼らの小気味よい掛け合いは読んでいて楽しいです。
本作の魅力はそれだけではありません。
主人公の修也は名探偵の息子、なのに才能を開花させられず、理想と現実の差に悩みながら、時には卑屈に…続きを読む - ★★ Very Good!!アツい推理バトル
推理学園物、推理バトルがあったり推理の授業があったり探偵という職業が確立していたり、という舞台設定は非常に魅力的で少年漫画との相性も良いと感じた。発想の素晴らしさに悔しさすら覚えた。
だが、このストーリーは、これだけで読んだ時、読み手に物足りなさを残すだろう。
それは、主人公の今までを形作ってきた父親の存在、主人公が授業そっちのけで気掛かりになっている父親の存在、そして、この話でクライマックスの遠因となる父親の存在が、結局、謎を撒くだけ撒いてひとつも謎を回収せずに幕引きを迎えてしまったからだ。
たとえ壮大な物語の一部だとしても、この物語だけで完結と銘打つならば、父親のことについても何らかの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!くじけそうな心に響く、真っすぐなエールの物語!!
探偵学園にファンタジー要素の使い魔を付け加え、そこに助手の役割を持たせるという発想は、秀逸ながらも奇をてらわない王道!
平易な文章は少年少女にも充分読みやすく、レゾヌマンにて提示されたミニマムな推理問題には切れ味があります。
ついつい自分も読みながら謎解きに挑戦し、正解に辿り着けた際には思わずニンマリと笑みを零してしまいました^^
そしてなによりこの物語の最大の魅力は、使い魔エルが主人公に送る真っすぐな激励です!
頑張れという言葉さえ素直に解釈するのが難しくなった今の時代、これほど正面から飾りのない熱い言葉をぶつけてくる小説は、もはやあまり見かけなくなってしまったように感じます。
本来あ…続きを読む