概要
仕事の都合で王都を離れることになったエレナは、会えなくなってしまった少年のことを思い出しながら日々を過ごしていた――ある日、雇い主である老婦人ミセス・カーターから博物館に所蔵されていた「死体」が盗まれたという話を聞くまでは。
その晩、ミセス・カーターのもとをこの世のものとは思えないほどに美しい少年が訪れ、親切な老婦人は彼を招き入れてしまう。
ただエレナだけがその少年、ルーヴェンが博物館に展示されていた「この世で最も美しい屍体」であることに気がついていたのだった……。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!【薔薇】の香りが纏わりつくような耽美な物語
「カラント国立博物館には世界で最も美しい屍体がある」
思わず惹き付けられる冒頭から始まり、薔薇の香りと血生臭さが混然一体となったような、耽美さと残酷さが入り乱れた独特の世界観がとても魅力的な作品です!
年下の少年・ルーヴェンは1970年代の少女小説や少女漫画の登場人物を思わせるように美しく妖しく、じっくりと描かれる吸血シーンにはドキドキしてしまいます。
【薔薇】を狩るカーライルとエレナが、出会った当初は反発しながらも互いを知ってバディになっていく姿は微笑ましく、カーライルの過去を知るにつれてエレナの存在が光になればなあと感じていました。
魅力的な男性陣に挟まれて、特に最後の10話ほどは…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その少年は、この世で最も美しくも妖しい
王都の博物館に展示された「世界で最も美しい屍体」と呼ばれる少年の姿。そんな少年に心奪われてしまったエレナだったが、仕事の都合で王都を離れることになってしまう。のだが、なんと少年――ルーヴェンが息を吹き返し、後をついてきてしまった。
姉と弟を装い、とある村に身を寄せる二人。
偽ながらも姉弟でありながらも、二人きりの関係には妖しい雰囲気が漂う。
筆者様がタグでショタおねと書かれているように、姉弟の背徳感がありながらも、艶かしい恋人であるような。
エリスとルーヴェンの甘い関係を描写したシーンは必見!
秘密を持つ少年ルーヴェン。彼とエリスがどうなっていくのか、是非是非最後まで見届けていただきたい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!美しい少年の魔と、聖母のようなヒロインと
博物館に収められた世界でもっとも美しい屍体。
そんな衝撃的なシーンから始まる物語です。
屍体、といっても、それはまるで眠っているかのように見える、一人の美しい少年なのです。
この美しい少年に魅せられ、博物館に通っていたヒロインのエレナですが、失業して新しい仕事を探さなければならなくなったため、博物館のある王都を離れ、田舎に向かいます。
やがてヒロインの元にふらりと姿を現す、美しい少年。
少年の正体に気づきつつも、エレナは少年を迎え入れます。
少年がこの世ならぬ存在である限り、今後エレナには選択の時がやってくるように感じます。
それは、こちら側(人の世界)にとどまるのか、それとも、あち…続きを読む