読み途中でのレビューになりますが、とても読みやすく、くすりとほっこりする文体です。
家の定めと能力により、アヤカシに嫁ぐ羽目になった主人公。
この主人公がまた、気丈で思い切りがよく、好感度が高いのですが、どうにも頑なです。
ところが嫁ぎ先の旦那様は、思っていたアヤカシと大違い。ぐいぐい来る相手なら突っぱねられるかもしれませんけれど、暖簾に腕押しと言いましょうか。やんわりと受け止め、直球で思いを伝えてきます。
おかげで主人公の調子も狂ってしまう。
でもこの二人、どうやらまだまだ表面には出ていない、事情を抱えていそうで……それが二人の関係をどのように変えていくのか、素直な好意が主人公をどのように解していくのか期待。
しっかりした地の文章で綴られますので、読書を楽しみたい方にもおすすめです。
子どものころ、養女として月城家に引き取られた主人公、紬ちゃん。
周りの人からは虐められ、良いとは言えない生活を送っていた……。
そんな中、古くからの盟約に従い、覚悟してアヤカシの花嫁となった紬ちゃんだったが、予想とは反し、紬ちゃんを娶ったアヤカシ狐――詩さんは、とっても大切に接してくれた。
ゲームや漫画……アヤカシの世界にこんなものまで!?
紬ちゃんの抱える不安と、まだ開ききれない心……。
そんな紬ちゃんに、詩さんはある賭けを持ちかける。
――「だったらさ、一つ、俺と賭けをしない?」
さて、その賭けとは?
思わず最終話まで追ってしまうような、気になる展開がたくさんです!
ぜひぜひご一読を!
アヤカシの花嫁なんて聞こえはよくても、生贄でしかない。なぜなら霊力を持つ人間はアヤカシにとって餌だから。紬を娶った狐のアヤカシも、餌としか認識しないはず――
「あれ、違った? それが、俺の花嫁の名だって聞いているけど?」
紬の名を呼び、気さくに話しかけてくる次期当主様・詩は、紬の抱いていたイメージと大きく異なっていました。
養家で虐げられてきた紬にとって、詩から向けられる好意は素直に受け取れるものではありません。
自分への好感度が異様に高い旦那様から溺愛されるうちに、紬の心に変化は起きるのでしょうか。
幸せな家族に縁のなかった少女の異種婚姻譚、たくさんのときめきをもらってください!
悲壮な覚悟をもってアヤカシの花嫁となったヒロイン、嫁いだ先はまさかのゲーム天国でした(と、まあそれはいいすぎですが)
何でアヤカシの世界にゲームや漫画があるの? って主人公紬もぽかんとしたかと思いますが読者もたぶん気になってる。しかも夫となる狐のアヤカシは詩はまさかのハイスペックなイケメン。何で、何で? 何で???
え、アヤカシって普通おどろおどろしい化け物じゃと思ったかと思いますが詩は違いますよ。それはもう紬さんを溺愛して仕事を早く片付けて帰ってきてくれる。こんな優良な夫がいますか。もうイケメンだし幸せになっちゃえばいいじゃんって思ったんですが紬は違うんですね。
彼女は心に深い傷を負っておりまして、単純にハイそうですかとはならないんです。
本作は彼女のトラウマに向き合っていく物語でもありました。
愛とは何か、赦すこととわたしの大学の友人は答えましたが、二人の関係もそうじゃないかな。詩の大らかな愛情を見ているとそう思います。
和風なアヤカシものです。イケメン好きな人にもおすすめですが、とても読みやすいのでその他の方にもおすすめです。
苛烈な環境に身を置き心壊れたヒロインが、最後に受ける仕打ちが「アヤカシの嫁になる」という生贄処分。
いやはや、ヒロインの育ての親どもの屑さに心底嫌気が差してきて、良い感じにヘイトが稼がれます。
しかしその一方で、ヒロインを嫁としてめとるアヤカシの方はと言えば、ヒロインを丁重にもてなし、人として対等に接してくれるわけです。
心壊され人並以下の扱いを受けていた彼女にとっては、ひたすら困惑でしょう。
この物語は単なるラブストーリーではなく、人並み以下の扱いを受けた彼女が皮肉にも人外の手によって愛され、人としての心を取り戻すという一面が隠されています。
はてさて、彼女は心を取り戻し、向けられる愛を素直に受け止める日が訪れるのでしょうか。
その結末は、是非ともご自身の手でご確認ください。
幼いころに国内屈指の名家である、月城家に引き取られた主人公の紬。
でもそこでの扱いはひどく、辛い人生を送っていた。
花嫁と言えば聞こえはいいですが、扱い方は生贄そのもの。
ある日、自分のことが好きだという次期当主、詩さんが現れる。
でもいきなりその人を夫としては見れず、距離は縮まらないばかり。
そしていつか復讐をする、と、心に決めていた紬ちゃんに、そのチャンスが訪れますが……。
詩さんは生贄として、ではなく花嫁として紬ちゃんと接してくれ、しかも「好きだ」とまで言ってくれるのですが、ひどい扱いを受けていた紬ちゃんにはなかなか信じられず……。
なかなか縮まらない距離ですが、そのたびにぶつかってお互いを知っていくみたいなところが感動しました……!
後半部分には紬ちゃんの過去のお話なども出てくるのでお楽しみに!
古くからの盟約に従い、アヤカシの当主候補の青年・詩に嫁いだ女子高校生の紬。
けれど、花嫁とは名ばかりで、代々嫁いだ女性は、アヤカシの生贄に等しい扱いなのでした……。
もともと、引き取られた月島家で、酷い扱いを受け続けていた紬。
アヤカシに嫁いでも何も変わらないと諦念に囚われていましたが、紬のだんな様である詩は、他のアヤカシ達とはずいぶん違うようで……?
これは、周りからずっと傷つけられ、自分を否定してばかりの少女が、幸せを目指す物語です。
最後まで読み進めれば、きっと目頭が熱くなるに違いありません。
気になる方は、ぜひぜひお読みくださいませ~。
主人公・紬さんは、特殊な力を持つが故に幼い頃から怖い目に合って来た。
そして現在、彼女は力を持つが故に心にも体にも傷を負い、復讐の時を待っている。
国内屈指の名家の養子とされたものの、それは家の繁栄のためのもの。彼女自身が幸せな暮らしとは程遠かった。
養子として迎え入れられた理由は、アヤカシとの約束を違えないため。
とうとうアヤカシに嫁ぐ日を迎えた紬さんは……
幸せになんて縁がないと頑なに信じるヒロイン
そんな彼女を何故か心から想うアヤカシの男
二人の心は近付くのか?
一つずつ謎が解かれた先、紬さんの物語を一緒に追ってみませんか?
主人公の紬ちゃんはアヤカシが見えるという特殊な力を持つ女の子。
そのせいで養い親からは虐待され、辛い人生を送って来ました。
そして、なんとアヤカシの花嫁……と言えば聞こえは良いものの実質生贄として差し出されてしまいます。
ここで紬ちゃんは悲壮な覚悟で養い親たちへの復讐をしようとします。あまりにも報われないその手段に読んでいて胸が痛くなるほど。
その復讐は、アヤカシの夫である詩に阻まれるのですが……
詩くんは紬ちゃんを生贄としてではなく、本当に花嫁として迎えてくれます。そればかりか「好き」とまで言ってくれる。ですが、辛い人生しか知らない紬ちゃんはそんなことは信じられません。
二人の心の距離は縮まるのか!?
数々のトラブルにハラハラしながらも、二人の心の変化に引き込まれて行きました。
紬ちゃんの復讐心はどう変化して行くのか、ぜひ一緒に体験してはいかがでしょうか^^
生贄のような扱いでアヤカシに嫁がされたヒロイン紬は、そこで自分の事を「好きだ」と言い張るアヤカシ狐の夫詩(うた)と出会います。
でも、紬はそんな詩の言葉を信じる事が出来ません。
それでも紬を溺愛しようとする詩は、心が凍ってしまっている紬のそれを溶かせるのか!?
という、ストーリーなのですが、確かに、出会ったばかりのアヤカシに「好き好き」言われても信じられませんよね。
様々なトラブルからも守ってくれる詩ですし、それにより紬ちゃんの頑なな心も少しはほぐれるのですが、それでもなかなか詩の事を信じる事は出来ません。
それもそのはず、紬は『月城家』により酷い扱いを受けていて、挙句の果てには生贄のようにアヤカシに嫁がされていたのだから。
月城家の当主常貞は本当に嫌な奴です。作者様の描く悪役の中でもトップレベルの嫌な奴です。
そこの所の戦いも見ものですけど、何よりも紬ちゃんの心がほぐれていく様が丁寧に描かれているのが素晴らしいです。
なかなか溶けませんから。それくらい手ごわいから。
それだけ月城家で酷い目に遭っていたって事なんですけどね。
読み応え抜群です。でも読みやすいし面白いです。さすが無月兄様作品です。
読んで損はありません。オススメです!!