美しい少年の魔と、聖母のようなヒロインと

博物館に収められた世界でもっとも美しい屍体。
そんな衝撃的なシーンから始まる物語です。

屍体、といっても、それはまるで眠っているかのように見える、一人の美しい少年なのです。

この美しい少年に魅せられ、博物館に通っていたヒロインのエレナですが、失業して新しい仕事を探さなければならなくなったため、博物館のある王都を離れ、田舎に向かいます。

やがてヒロインの元にふらりと姿を現す、美しい少年。
少年の正体に気づきつつも、エレナは少年を迎え入れます。

少年がこの世ならぬ存在である限り、今後エレナには選択の時がやってくるように感じます。
それは、こちら側(人の世界)にとどまるのか、それとも、あちら側(少年の生きる世界)へ行くのか?
あるいは、ふたつの世界は、重なり合っていくのか?

レビューを書いている時点で第12話まで更新。

そして、タイトルの『薔薇と硝煙』。
このタイトルの意味するものは……?

美しくロマンチックな物語です。
この物語の行く末を目にしたい、そんな『物語を読む楽しさ』を届けてくれます。