時は大正。一族で虐げられられ気味の源結葉はある日、鬼に嫁ぐことになります。
というのも実は、結葉の先祖は平安時代の武士である源頼光。鬼を退治した英雄なのですが、それが原因で頼光の一族は子孫まで鬼に恨まれているのです。
鬼は復讐のため、頼光の血筋から花嫁をとることを求めます。頼光の子孫たちは一族を守るため、娘を差し出し続けるしかありません。
そうして時が過ぎ、結葉が源一族の末裔として生まれた大正時代。頼光の時代から900年ほど経っても、花嫁の悲劇は終わっていませんでした。
そんな結葉の前に現れる魅力的な男性、宮間紅炎。なぜか結葉を案じてくれる紅炎は、言うのです。「あなたを奪いに行きます」と。
これから始まるシンデレラストーリーの気配に、期待が高まります!
ところで本作は、枕草子の引用から始まります。
物語の核心にも関わってきそうな冒頭一ページ目から、平安時代の煌びやかな風を浴びたような気持ちになりました。
読者の中には「平安時代って、文化も独特だしとっつきにくい」と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか? ですがご安心を!
本作の舞台は現代人も馴染みやすい大正時代。物語の主軸は、大正ロマン×王道シンデレラストーリー。ですがそこに、平安時代の雅やかさとおどろおどろしさが折り重なることで、物語に深みが感じられます。
そして、深みがあるのは作品の空気感だけではありません。
各キャラクターが抱える心の闇に鬼がつけ込んでいく心理描写がとても丁寧であり、結葉はもちろんのこと、結葉を貶めようとする人々の気持ちの動きにも、納得感をもって没入してしまうことでしょう!
あと、キャラについてはどうしてもお伝えしたいことが!
妖怪狸の胡狸が! 可愛すぎだぬん!!
本人も、自分は可愛さを売りにしていると言っています。ええ、もうそんなところも愛おしすぎる。
ぜひ胡狸にも会いにきてください!
平安の雅と大正ロマンという二つの風を浴びながら、時を越えた思いが交錯する、王道シンデレラストーリー。(マスコットキャラあり)
読者の「欲しい」「好き」が、きっとここにある。
おすすめの一作です!
前世からの強固な縁を持つ二人。
想い合う心の強さは、きっと誰よりも強い。
それでも、二人の愛には大きな障害があって――
恋愛物語の名手・そわ香さんが綴る、和風純愛物語がこちらです。
この作品の魅力は、しっかりと資料を調べられたうえで、鬼の伝説を主軸にされている地に足のついたところ。
作品に奥行きが生まれて、より味わいが増しています。
酒呑童子とか、源頼光などと聞いて、目を輝かせたくなる方々も多いはず!
また、きらびやかな西洋風の宮廷物語も素敵なのですが、こちらのような和風大正ものの、慎ましくて雅な雰囲気も新鮮で読みごたえがあります。
主人公結葉のどこまでも美しい心や、彼女の相手となる紅炎の熱烈でひたむきな愛情。
脇を固める綾女のしたたかな人間らしさなどにも、ぜひとも注目していただきたいです。
現在第一部が完結しておられ、一話一話の長さもほどよく、全部で10万字ちょうどととても読みやすい作品です。
お人柄か、そわ香さんの作品は根底にいつも優しさがあふれています。この機にぜひ。
孤独な女と捨てられた鬼の子が出会う。
いっしょに暮らしていたところ、女は鬼の子を迎えに来た鬼に殺された。「葉と葉が重なるように」再会を祈りながら永遠の別れ……。
時は大正へ。
平安時代、源一族は、鬼を討伐した英雄。だけどふりかかる家系因縁による災難。一族の安泰・存続のため、代々霊力のある源家の血をひく娘を「鬼の花嫁」として捧げることになっていた。
大正時代になってもその因習は変わらず主人公の源結葉は花嫁に選ばれてしまう。失意の中、あやかし討伐をする特殊部隊の間宮紅炎と出会う。会ったことがあるような、遠い記憶とともに紅炎に心惹かれる結葉。
そわ香さまの魅力はなんといっても恋愛です(〃▽〃)ポッ。
クールで美青年・紅炎のストレートな台詞に結葉も読者もドキドキしたことでしょう。ああ。声優さんに言わせたいっ。
そして綾女という本家の娘も登場して……。はい。女の情念ってコワイです。こじれた人間模様と溺愛を楽しみながら、終盤はハラハラする展開になっています。
平安から大正まで重なり合う千年の想い。大人のための純愛転生物語です。
おススメします(´っ・ω・)っ📚✨
激重感情を抱えた美青年と、純真無垢でひたむきな少女——。作者の遊井そわ香さんは、純愛溺愛小説を得意とし、誰もが応援したくなる二人の恋愛模様を細やかに描かれています。そうきたか、と感心したのは、舞台設定の妙。平安と大正、二つの時代が絶妙に重なり合い、時を超えた物語世界が紡がれていきます。
さて鬼を狩る男・宮間紅炎は凛々しい軍服から大正モダンな洋装まで着こなすイケメンぶり。普段は冷静にして冷酷な彼が、運命の相手である結葉を前にすると、甘い台詞と態度を隠そうともしない。そのミスマッチに心を揺さぶられます。頼光四天王と酒呑童子、日本刀、枕草子といった物語を彩る様々な小道具も興味深く、安心してお勧めできるライト文芸小説です。
【あらすじ】平安時代に鬼退治で名を馳せた源一族。時は経ち大正時代。すっかり落ちぶれた源一族は霊力のある一族の娘を鬼の花嫁として差し出すことで生き延びてきた。運悪く花嫁に選ばれた結葉には過去の記憶が。イケメン軍人の宮間紅炎との出会いで過去の因縁が動き出す。
おすすめポイント①…平安時代と大正時代、時代を越える壮大なストーリー。鬼退治で有名な源頼光の伝説をベースにした鬼や怪異が活躍。平安時代の空気感と大正時代の空気感を両方味わえるお得な物語です。平安時代から続く因縁がリアルに描き出されて没入感が味わえます。
おすすめポイント②…純愛プラス四角関係。主人公とクール(?)なイケメンとの純愛がキュンキュンします。そこに立ちはだかる恋仇たち。さまざまに仕掛けてくる彼らとのやりとりにハマります。
おすすめポイント③…あやかしとのバトルが胸アツ。主人公、結葉と紅炎そして仲間たちによる強力な鬼や妖怪とのバトル。知力と体力を総動員して戦いに挑む彼らの姿に感情移入できること請け合いです。
以上の点から本作をおすすめします。ぜひ読んでみてください!!
保身のために自分よりも力の強い相手に媚び、身内から人身御供を差し出すというのは古来から変わらない人間の負の営みなのかもしれません。自分たちが安泰であれば犠牲になるものに関しては目をつぶることができる。このお話は大正時代を舞台にしたファンタジーですが、ストーリーの縦糸になるのは源家の習わしの醜さ。鬼という存在が「悪役」であれば、「人間は卑怯な善人」ともいえるでしょう。
そして横糸になるのがその醜さの中に紅一点のように灯る、時を超えた男女の出会い。冒頭でのエピソードが鍵となって、懐かしい残像のように何度も蘇ってきます。
鬼に嫁ぐことを余儀なくされるヒロインを中心に、立場や家という壁、そして嫉妬や憎悪の感情に支配される人の心も描きつつ物語が進んでいきます。おどろおどろしい世界ながら、儚げでときどきユーモアも含めたタッチでテンポよく描かれています。
時を超えた思いの先をどうぞ見守ってください。
枯れ葉や枝でできた衣をまとう蓑虫。そんな蓑虫を、清少納言は『枕草子』で「鬼が生んだ子」と見立てています。親に捨てられたことに気づかない蓑虫の子が鳴く様はいみじうあはれなり。そのエピソードを踏まえて、捨てられた鬼に手を差し伸べる一人の女の在りし日の記憶を持ってくるところも、心に沁みわたる粋なはからいと言えるでしょう。
葉と葉が重なるように、私の命がまたあなたに重なりますよう。また会えますよう。
鬼の子との再会を祈ってから時は流れ、大正の世。
鬼を退治した英雄・源頼光の血を受け継ぐ本家に、分家の娘である結葉が住むことになりました。一族のための結婚が決まっている結葉は、顔も素性も知らない相手との嫁入りの日を待つばかり。そんなときに出会ったのが、軍服の男性・紅炎でした。
からかっているのだと思ってしまうほど、結葉に向けられる紅炎からの言葉は甘くて熱く。親に恵まれているとは言えない生活を強いられてきた結葉にとって、大きな存在になっていくのです。
結葉のことを好いてくれる殿方は紅炎のほかに、顔見知りの好青年・志貴もいて、紅炎とは違ったアプローチの仕方にどきどきさせられました。
結葉のことを何かと気にかけてくれる本家の一人娘・綾女の動向も見逃せない、和風ファンタジーです!
主人公の結葉は、一族の繁栄のために『鬼』の花嫁になる事を強いられます。
それは代々続いて来た鬼と一族との因縁で。
それを断ち切る存在、『鬼』を倒そうとする宮間様と結葉は出会います。そして結葉と宮間様は想い合います。
このお話、ただ鬼を倒して溺愛ルンルンってわけじゃありません。
その過程こそ、味があり深みがあり素晴らしいものなのです。
人は心に『鬼』を飼う事があります。この作品の中にも、心に鬼を飼ってしまう者が現れます。
それは嫉妬からか、恋慕からなのか……。
本当に怖いのは、力を持った『鬼』なのでしょうか? それとも心に鬼を飼ってしまう『人』なのでしょうか?
私は『人』こそ怖いと思って本作を読んでいます。そして、どうか宮間様、結葉ちゃんをお救い下さいと願わずにはいられないのです。
このレビューを書いている段階では、まだまだ鬼との戦いは序盤です。
この先どうなって行くのか、宮間様は鬼に勝てるのか。結葉と宮間様は幸せになれるのか。
毎回ドキドキとしながら読んでいます。
そして鬼を心に飼っている『あの人』が救われる事はあるのだろうか……。
読み始めたら目が離せなくなります。まだ追いかけるのに間に合います。是非とも鬼VS真実の愛の戦いをお見逃しなく!
鬼退治の英雄・源頼光の末裔でありながら、一族のため「鬼の花嫁」として捧げられる運命の少女・結葉。
その前に現れる、圧倒的な存在感の男・宮間紅炎——導入から一気に掴まれました。
大正のモダンな空気を纏いつつ、根底に流れるのは平安から続く血塗られた因縁と執念。
設定がシリアスで重厚だからこそ、物語に逃げ場のない緊張感があって、ページをめくる手が止まりません。
それなのに、紅炎が口を開いた瞬間に空気がひっくり返るのがたまらないです。
「奪いに行きます」と言い切る激重な溺愛が強引で不器用で、ドキドキさせられっぱなし。
光造との軽妙なやり取りにも救われて、この闇と光の配合が大好きです。
綾女の嫉妬や志貴の誠実さも含めて、脇役まで人間臭く、ただの溺愛ものに収まらない多層的なドラマが描かれています。
「葉と葉が重なる」という言葉に込められた千年の祈り——その真実が明かされる瞬間を楽しみにしています!
鬼と人が織りなす千年の恋路に、きっとあなたも心を奪われるはずです。
この作品をひと言であらわすなら、甘さと切なさを高次元で両立させた和風恋愛ファンタジー作品と言えるでしょう。
主人公の結葉は平安時代に鬼退治をした源頼光の子孫です。霊力をもつ彼女は、一族のために鬼の花嫁として差し出されることが決定されました。
花嫁とは聞こえがいいですが、実際は……。ここからは、ネタバレになりますので、そこは本編を読まれて驚いてください。
さて、結葉は周囲の男性から熱愛されています。
作品の登場人物である綾女に言わせれば、特段の魅力もない女らしいのですが、彼女を情熱的に愛する男たちは、ひとりだけではありません。
その中でもとくに、宮間紅炎は彼女への愛情を惜しみません。それには一千年の過去があるのです。
さて、「蓑虫の恋」というタイトルも秀逸です。
ここに込められた作者の作品への思いを考えるとき、平安時代の雅を思い浮かべてしまいます。
『枕草子』「虫は」の一節では、「蓑虫は鬼が生んだから鬼に似る」と書かれています。作品は清少納言のこの一節をモチーフにしているようにも思えます。
繊細な描写で描かれた物語は、単なる「溺愛もの」ではない読み応えがあります。
どうぞ、お読みくださいませ。
主人公・結葉は、知らずに鬼に嫁がされる哀れな娘。
しかし、内務省特殊部隊(あやかし退治などをしている部隊)所属・宮間紅炎という麗しい男が、そんな嫁入り前の結葉に「奪いに行きます」と大胆発言をします。
この男、結葉に序盤から猛アタック! もう最初から糖度100! ひょえええ~~~///と思いながら読み進めているうちにどんどん糖度が高まっていきます。悶え叫びながら読むこと間違いなし。めっちゃ甘々です。既にめちゃくちゃ甘いのにこれからどうなっちまうんだ……(嬉しい悲鳴)。思わず「宮間様」と心の中で様付けで呼んでしまう肉食ぶりです。
さらに面白いのが、この作品はどうやら「四角関係」を描く作品のようです。
もう一人、結葉と親しくしている綾女という登場人物がいます。女王のような貫禄があり、かっこいい女性で、個人的にはとても好きなキャラです。しかし彼女は、結葉が宮間に好かれていることを知り、嫉妬をし始めて……。
単純な一対一の恋愛ものではなく、人間関係がここから拗れていきそうで、本当にワクワクします。
和な雰囲気の中、ファンタジー設定や世界観もしっかりしており、ひと味違う和風ロマンスであると感じております。
物語がどうオープニングと繋がっていくのか、まだ謎な部分も数多く、続きが気になります。
男に捨てられた女と父に捨てられた鬼の子。
めぐりあった二人は一緒に暮らし、心を通わせます。
しかし女は鬼の子を捉えに来た鬼に殺され――
鬼の子は女の胸の上に真っ赤なイロハモミジを二枚、並べて置きます。
「葉が重なるときを、待っている」
そして時は巡り、女の生まれ変わりの「結葉」と、かつての鬼の子の気配が漂う謎多き男「紅炎」が邂逅。
結葉は前世の記憶を持ちませんが、紅炎は彼女へと果敢に迫ります。
クールなイケメンの紅炎ですが、彼が口にする愛の言葉は超甘々!
彼に口説かれて喜ばない女性はきっといないはず……!
嫁ぎ先が決められ残酷な運命を背負っている結葉を、紅炎は救い出すことができるのか。
そして時を超えた想いは実るのか……。
ふたりの行く末から目が離せません!!
『蓑虫の恋〜囚われの花嫁は鬼に愛される〜』は、和風ファンタジーの美意識と“激重感情”の推進力が同居した、切なくも濃密な純愛譚です👹🌸
鬼と人、守ることと縛ること――その曖昧な境目で揺れるヒロインの選択が、甘美さと残酷さを同時に呼び込み、読者の感情を強く掴みます📚⛩️
本作の魅力は、愛の形を“綺麗に整えない”誠実さです。囚われは救いにも呪いにもなりうる、という張力のなかで、鬼の「愛」が持つ保護と独占の二面性が鮮やかに立ち上がります🩸💞
また、文章は情景と心理を絡めとる密度が高く、古典への目配りや引用が作品の格を一段押し上げています📖🪶
一方で、重い感情が続く章の中に儚いユーモアや季節の色を差し込む呼吸も巧みで、緊張を途切れさせず、しかし読者を疲れさせません🎐🔥
和風ファンタジーの美と“激重感情”が交錯する、鬼と娘の純愛劇――痛みも甘さも余さず味わえる一作です👹🌸