概要
生きたいと思う、その気持ちだけで、他にはなにもいらない
魔法士嫌いの王国で、魔女と蔑まれ疎まれている役立たずの王太子妃アウラは、ある晩、負傷した獣人を助ける。
「治療の礼に、お前が望むならここから連れ出してやってもいい」
望む未来なんてない。希望もない。ただ死ぬまで生きている。そんな孤独なアウラに手を差し伸べたのは、黒猫の獣人ジル。
ジルの事情に巻き込まれながら、アウラは自分の人生を歩みだす。
「治療の礼に、お前が望むならここから連れ出してやってもいい」
望む未来なんてない。希望もない。ただ死ぬまで生きている。そんな孤独なアウラに手を差し伸べたのは、黒猫の獣人ジル。
ジルの事情に巻き込まれながら、アウラは自分の人生を歩みだす。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!鳥かごからの、一歩。
ある月の夜、テラスで負傷した獣人と出会う王太子妃アウラ。事情により城の者たちから疎まれる存在である彼女は、その獣人の彼に手を差し伸べる。それが彼女にとっての、最初の一歩です。
お話が進むにつれ、アウラの置かれた状況やその理由が明らかになっていきます。魔法大国であるマギア王国の王女であり、嫁がされたとはいえオルディナリ王国の王太子妃であるのがアウラです。そんな彼女は、酷く自己肯定感が低い。すでに諦めの境地に至っており、与えられた鳥かごが居場所だと思うような女性です。
そんなアウラですが、獣人の彼――ジルと関わり、ジルの仲間たちと言葉を交わし、彼らの生き方に触れることで、その心境を変化させてい…続きを読む