主人公、エクレスの住む世界は、神のこぼした涙によって創られたという神話があります。
光の神と闇の神がいて、けれど、神々は敵対しているわけではありません。
二人の神々創ったものは、時代を経るうちに混じり合い、仲良く暮らしています。
――闇をまとった醜いものが、悪さをすることはあるけれども。
六歳のとき、エクレスは闇を纏った謎の存在に住んでいた村を滅ぼされてしまいます。
それから十年後、養父母のもとで成長した彼は、冒険者になるために、訓練学校に入ります。
出会った仲間たちと、少しずつ仲良くなっていく様子が、とてもリアルです。
ファンタジー世界ですが、現実世界とまったく同じ。
立ち入りすぎてはいけないと気を遣いながら、けれど、できる限り精いっぱい手を伸ばして、人と人が関わっていく。
その心のあり方が、とても気持ち良くて、「頑張れ!」と応援したくなります。
エレクスの村が襲われた真相が見え始めてきたあたりから、加速度的に惹き込まれていきます。
謎が明かされていく高揚感。
けれど、やはり、そこでも魅力的なのは、真実を知ったときのエレクスや仲間たちが何を思って、どんな言葉を相手に掛けるか。――人と人との関わり合いだと思いました。
まだまだ、これからの冒険者の卵たち。
そんな彼らの頑張りを一緒に応援してくれませんか。