第36話 鑑定で丸裸!


ちなみに人を鑑定すればどのように過ごしてきたかが分かる。

例えば剣を習っているとしたら何時、誰からどのように習い、どんな技を得意としてきたかなどが分かるのだ。

相手の必勝パターンや癖も分かる。

これはもうどんな相手でも勝ち確だな。

戦いに於いて怖いのは初見殺しや一発逆転を狙った隠し玉だ。

それを事前に知ることが出来れば対策が練れる。

正直、当初想定していた相手の強さが数値で分かるような”鑑定”より遥かに有用なものが出来た。


具現化結晶にいたってはもうチートもチートだ。

魔力も闘気もアホほど持っていかれるがだいたいなんでも出来た。

「どこ〇もドア」さえ再現することが出来たのだからそのチート具合はお分かりいただけると思う。

流石に「タイ〇マシーン」や「もしもボッ〇ス」は再現出来かったけどね。


普段は目立たないよう装飾された短剣に擬態して持っている。

これなら貴族の女子として持ち歩いていてもギリギリおかしくない物だ。

いざという時は抜き放ちながら形態を変えて使えばよい。


……

…………


そうだ! 鑑定を手に入れたのだから帝国のチート野郎を調べよう。

転生者を調べれば良いかな?

鑑定の結果、この星に生きているもの全てと出た。

……うん? あぁ、輪廻転生ってことか。

別に俺だけ特別じゃなく、皆転生しているってことね。


では異世界転生者は……っと。

あれ? 今度はヒットゼロだ。

異世界転生は星の記憶に無い?

あれ? 俺って異世界転生したんじゃないの?

そうするともっと別の何かによって転生している?

う~ん……、わからん……。


え~っと、他に検索キーワード無いかな?

思いつくまま色々やってみたけどダメだな。

生まれた時から記憶があるとか入れても、全く記憶がゼロな生き物いないしな。


そうするともっと条件を絞るか

あれかガン〇ムもどきこと、帝国の魔導騎士の製作者について調べよう。


これは流石に出た。


スヴェン・ダーグ・アルギュリーン


帝国の伯爵で男性。30歳。


3歳 魔法の発動に成功。

4歳 土魔法を駆使し、人形を作りだす。

5歳 錬金術を独学で学び、ゴーレム生成に成功。

6歳 魔導車の理論と動力を作成。

7歳 魔人形マジックドールの製法を独学で学ぶ。

8歳 独学で魔人形マジックドールを作る。

9歳 魔導通信機を作る。

10歳 魔導銃を作る。

11歳 魔導車と通信機を使っての防衛網提案。

12歳 魔導騎士の論文を学会に提出。

13歳 魔導騎士開発メンバーに加わる。

14歳 魔導騎士の動力開発に成功。

15歳 強化骨格を作成。魔導騎士の大型化へ。

16歳 チーフエンジニアとなる。

17歳、魔導騎士完成。

以降、帝国の発展に寄与。現在は開発部門のトップとなっている。


なるほど。

転生チート野郎に間違いは無さそうだ。

経歴から見ても宇宙戦艦を所持しているってことは無さそうだ。

チートは無いようだが魔導騎士に対する知識、そして何より情熱は凄い。

生涯をかけてそれに挑んでいる。


魔導騎士は凄い技術だ。

一人で作れるものではない。

誰でも使えるのがまた凄い。

個人の強さを目指した俺とは違う方向で頑張っているな。

俺が自分自身に費やした時間を魔導騎士の技術的な問題に使ったのだろう。

量産しているってことは多くの人に技術を共有できるようまとめ上げているわけだものな。

相当な苦労があったはずだ。


魔導騎士の構造についても調べた。

エネルギー源は魔石だ。錬金術で加工し使っている。

魔物から手に入る魔石だと量産が難しい。

そこでまーちゃんのいたダンジョンを狙ったようだ。

龍脈を利用して人為的に魔石を作りだしてるみたいだな。

なるほどねぇ。


魔導騎士の個としての力は魔石以上の力は出ない。

俺にとっては大した事ないが、一般人には脅威だな。

しかも量産しているし。

技術は継承できるし龍脈が枯れるまで魔石も作れる。

魔導騎士をガンガン量産しそうだな。


魔石の動力は他にもいろいろ使われているようだ。

自動車や船はすでに出来ており、飛行機も作るようだ。


これは国として凄いぞ。めっちゃ便利やん。

俺も帝国に住もうかな。


さて、俺以外の異世界転生者と思われるやつがいた。

帝国のコイツは俺にとって脅威ではない。

転生者はコイツだけでは無いだろう。他にもいると思われる。

そうなると当然、宇宙戦艦持ちも……。

やはり宇宙戦艦に対応できるようにならないとな。

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