第48話 目指せ! 冒険者!
■10歳
10歳! ハーフ成人式だな。
ま! この世界の成人は15歳だけどね。
さて
まず、自分自身の中にあると言われている
それと同じような
しかしこれがまっっったく分からなかった。
そこで俺は考えた。
この星の生物は星の一部と言ってよかった。全て龍脈で繋がっている。
ではこの星は? そう! 宇宙の一部と言えるはずだ。
俺自身の中に無いのなら、星の方に繋がりがあるはずだ。
しかし中には何も見つからない。
おかしいな? 考え方が違ったか?
試行錯誤であれこれ試したがすべて全滅。
そんな時に星空をぼんやり眺めていたら天啓のように思い出したことがあった。
あれは周囲から少しずつエネルギーを集めて一塊にして放つ技だ。
それは某アニメの聖闘士が使う
試してみよう。
もう可能な範囲にどんどんとね。
星から飛び出て数十万kmと球状に伸ばしてく。
その状態で自分がまるで全体の一部であるようなイメージで領域を曖昧にしていく。
馴染むように……、溶け込むように……。
そうやって全てと一体となり、それらからエネルギーをかき集める作戦だ。
そんなことを繰り返しやること1ヶ月。
ある不思議な感覚に陥った。
スンっと落ちるような感じ。
何でも無いようで何でも出来る変な感覚。
自然と俺は肉体が邪魔であると感じた。
幽体離脱のように
何故かその時は出来ると思った。そして出来た。
(おぉぉぉ、凄いなぁ)
とても気持ちが良い。
マジでなんでも出来る気がする。
しかし、なんか……全てが……どうでも良いような……
「……ちゃん! お姉ちゃん!!」
「え?」
ふと我に返った。
そして目を開けると心配そうに俺を見詰める
「あれ?」
「良かったぁぁぁ! 生きてた!!!」
ぎゅっと抱き着いてくる
「え???」
「凄い安らかな顔をして眠っているように見えたの。ずっとそのままだから心配になって……。」
「え? どれくらいここでこうしてた?」
「もう3日もそうしてたよ。」
マジかよ!
「最初金髪だったのに気が付いたら黒髪になっていて、それで寝ているのかなって。」
「黒髪に?」
「うん。えっと言葉にしずらいのだけど、普段と違ってなんか神秘的な艶というか、輝きがあったというか。……そう、神様みたいな神聖さを漂わせていたというか。」
ムムム、良く分からんが外観的変化もあったようだ。
今度じっくり観測しておこう
そんな感じで習得自体は出来た。たぶん出来た。
出来たのだが、この状態に入ると自分の意識を保つことが難しい。
周囲に溶かしているのだから当たり前なのだけど。
意識を保つ方法を探さないとな。
魔導具を作るか、別の対策を練る必要がある。
兎に角、実戦で使えるようにしないとな。
そうそう10歳から冒険者になれるそうだ。
チート野郎はおそらくチート能力を生かした職業として冒険者になっているはずだ。
だいたいの転生者が貴族になりたがらない。
責任ある立場も嫌で自由気ままに権力から遠ざかっているはずだ。
帝国のやつは違ったが……。
貴族社会にいると驚くほど冒険者の情報が入ってこない。
以前は盗聴魔法であれこれ聞き耳を立てていたのだが、会話の内容を指定できないため欲しい情報がすぐ手に入らない。
それとあまりにも会話が下品で聞くに耐えないものが多かった。
時間が掛かる割りにメリットが少なく最近ではやっていない。
鑑定で調べる手もあるのだが、これも検索条件が上手く合わないのか出てこない。
ここは一つ冒険者になって情報を集めてみるのも良いだろう。
極端に強い奴や美女ばかり囲ったハーレム野郎の情報を集めよう。
悪目立ちしないように動きつつも、なんだかんだで「俺なんかやっちゃいました?」をやらかしているはずだ。
そうなれば噂の一つもあるだろう。
それにせっかく異世界転生したのだから俺も冒険者してみたい。
冒険者登録時の試験で「大物新人だ!」「すげぇぇ!!」とか言われたい。
いや、待て、目立つのはダメか?
でも地方の冒険者ギルドで少し有名になったところでたかが知れているか。
情報が出回るのは人伝だしな。映像記録媒体もないし。
今や宇宙戦艦持ち以外は敵になりえないが初見殺しチートは怖い。
悪〇の実のように理を無視した攻撃は怖い。
デ〇ノート的なチートだと名前を知られるだけでアウトだ!
先んじてチート野郎の存在を知れれば、あとは鑑定で丸裸に出来る。
危険なチート野郎は闇に消えてもらうとしよう。
やってみるか! 冒険者ってやつを!
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