第27話 育成計画
※前書き
風邪をひいてしまいました。コメントの返信が遅れます。すいません。
―――――――――――――――――――――
■ルアーナ視点
ミケーラとはとても仲良くなれた。
俺みたいになりたいと言うから実際にどんなことをやっているか見せてみた。
昼間の勉強を一緒にやったり、夜はまーちゃんのお城に一緒に行って、訓練の様子を見せたりしてみた。
どんな努力をする必要があるか見た方が早い。
「こんな大変なのはやだ!」って言うかと思ったのだけどミケーラは根性があった。
まぁアウグスタの娘だからな。
全部一緒にやる!と言い出したのは困ったものの嬉しくもあった。
可愛い妹のためだ。
お姉ちゃんは頑張っちゃうぞ!
一旦自分の練習は置いておいて、ミケーラのためのメニューを考える。
まーちゃんやミカナイ師匠、タケトナ師範にモナン先生も協力してくれた。
俺がやってきた試行錯誤の結果に皆の知恵をプラスした形だ。
やることが多いのでこなすのに時間が足りない……。睡眠時間が削られてしまう。
それに対してもタケトナ師範からアドバイスを貰った。闘気を全身に巡らせながら睡眠を行えば効率的に回復が見込めるらしい。
試しにやってみたところ3時間ほどの睡眠ですっきりと目覚めることが出来た。
やったね! 夢のショートスリーパー能力ゲットだぜ!
ミケーラには最優先で闘気の扱い方を覚えてもらうとしよう。
いや、待て。さすがに詰め込み過ぎか?
考え方がブラックではないか?
……本人に確認しながらちょっとづつ増やすことにしよう。
アウグスタが定期的に巡回を行うようになってからは兄貴もいろいろ余裕が出来た。
ついでなのでミケーラ用に考えた方法を教えたりしている。
兄貴は俺と違ってある程度強くなれば良いのだからこのまま行けば十分だろう。
俺みたいに
さて親父が帰ってきた。
属性変化の論文は認められたかな?
……結果から言って、どうも認められなかったようだ。
なんでも今の学会のトップが『属性は固定されている』という理論を打ち出した人の孫になるとかで、それを真向から批判する内容だったためあーだこーだと難癖付けられて認められなかったそうだ。
実際に目の前でやって見せてもそんな反応だと言うのだから、学会というより権力闘争の場のようだ。
有益な理論より自らの地位が大事ってことだな。
どこの世界にもある話だ。
親父からは「折角のルアーナの功績が……。すまないね。」と何度も謝られたけど正直そんなもんはいらない。
認められたらそっち方面で忙しくなりそうだしね。
ただ、親父があまりにも落ち込むようなので俺はとあるアドバイスを送った。
「お父様、折角ですので我が家の魔法兵団を増強しましょう。」
「え? なんでだい?」
「学会の方はあれこれ理由をつけて認めなかったのですよね? それを逆手にとるのです。『理論の正当性を検証するため、魔法使いを呼び集め、検証する』という理由をつけて増強しましょう。最近、帝国に不穏な動きがあると聞いています。また、荒地の様子に変化が見えるとか。それに対応するには兵力が必要でしょ? 」
俺が仕込んだ
それに対して不安を訴える声も多い。
帝国の動きに関しても噂が伝わってきている。
『新しく開発した魔導騎士で魔王を打ち倒した』と言った話が酒場で聞けるほどだ。
当然そうなるとその魔導騎士で王国が攻め込まれるのではないか? と不安に思う人も出てくる。
とは言え、突然理由もなく兵力を集めれば周囲を刺激することになる。
増兵には周囲が納得できる理由付けが必要なのだ。
「……なるほど」
親父はしばらく考えていたが、納得したようで行動を開始した。
忙しく動いていれば落ち込む暇もなくなるだろう。
属性変化が出来ると分かればそれが噂になり、本当に優秀な人材はうちに集まるだろう。
権力闘争をやっていて真っ当な評価が受けられない場所より、新しい技術を学べる場所の方が良いに決まっている。
逆にそれが理解できない奴はいらん。
足の引っ張り合いは他でどうぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます