第28話 龍脈から探る
※前書き
風邪はだいたい治りました。というわけで本日は2話更新いたします。
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■6歳
うん、いろいろ順調だ。
ミケーラはほとんど俺と行動をともにしている。
そのおかげで大分強くなった。
正直、兄貴より強いかもしれない。
剣ではさすがに勝てないだろうが、魔法は属性変化、外部魔力の吸収、魔力の圧縮を行えるまでになっている。
ちょっとの間なら空も飛べる。
兄貴は剣と魔法を両方伸ばしている。剣はかなり様になっている。
その強さはアウグスタにも認められ、最近は一緒に巡回しているほどだ。
魔法は属性変化を覚えたが、水魔法以外はあまり表で使っていないようだ。
理由を聞くと1属性だけ伸ばして他は後回しにしているとのこと。
実戦で判断に迷うと命取りになるから1属性に絞っているらしい。
兄貴はそれに加え領主教育も始まっている。
統治に関することを親父から学んでいる。
アウグスタは巡回をすることで息抜きが出来るようになってから大分態度が軟化した。
心に余裕ができ、子育てで困ったことがあれば親父やママンに相談できるようになったようだ。
ママンに対しても自分の子供たちに魔法が使えるよう教育を施してくれたことに大変感謝していた。
最近では黒目黒髪も敵国が流した
自分に良くしてくれている人間が悪い奴な訳がないという単純な思考だな。
親父とママンは新しく作った魔法に対する育成機関を順調に稼働させている。
国内で不遇な目にあっている魔法使いがどんどん集まってきている。
属性変化を習得した人もちらほら出てきている。
途中経過はガンガン論文にして報告しているが未だに認められていない。
属性変化の派生実験として同じ魔法をかけ合わせる合体魔法の実験とか魔力量の数値化などさまざま実験を行っている。
そのうち魔法専門の教育、研究機関として学校を作るのも良いかもしれない。
俺はというと宇宙戦艦対策は進んでいない。
修行自体は順調だ。魔闘気の扱いにも大分慣れ、山を一撃で吹き飛ばせるほどの出力が出せる。だが、これでは宇宙戦艦に勝てない。
そこで俺が目をつけたのは”龍脈”だ。
ガイア理論をご存じだろうか? 星は一つの生命体というやつだ。
俺もこの星で生まれたということは星の一部と言えなくもない……はずだ。
この世界には実際に龍脈が存在する。これが星の生命エネルギーの吹き出し口だとしたら、逆にたどっていけば星の根源たる力とつながることも可能ではないかと考えたのだ。
龍脈から吹き出る魔力量だけでも相当な物だ。だがこれでも宇宙戦艦とは闘えない。
もっと大きな力が必要だ。
俺は龍脈から星の根源たる力へアクセスを試みることにした。
ただの魔力や闘気では龍脈の力にあっと言う間にかき消されてしまう。
辿っていく以前の話だ。
そこで魔闘気を用いて探っていくことにした。
まーちゃんに許可を取って、龍脈を使わせてもらう。
グッ!
なんだ!? 探るつもりが逆に俺の中に何かが入ってくる!?
怒り、苦しみ、痛み、飢え、嫉妬、欲望……
そ、そうか! 命の流れってことは人々が生きた記憶でもあるのか!!
ぐぐぐ!! 自分の存在がかき消されてしまいそうだ!
だが、諦めるわけには行かない。
力を得なければ、宇宙戦艦チート野郎に負けてしまう。
負けたあとは捕らえられて科学技術を駆使した淫乱になる媚薬とか盛られてしまうに違いない!
ぐぬぬぬぬ!! な、なんとか龍脈の中を探らねば!
探っていくと苦痛の中にほんの僅かに喜び、幸せ、慈しみ……そう言ったものもあることが分かった。
そしてそれに不随する記憶なんかもある。
いや~、ナーロッパ的な世界観だからそこそこ平和なのかと思ったけど、この世界もいろいろあるな。
そりゃそうか。魔物はいるし、飢饉もある。戦争も……。
文明が発達していないから火を起こすのも一苦労だ。洗濯は水を沢山扱う。井戸からくみ上げるだけでも重労働だな。人々は日々を生きるので精一杯って感じだ。
法整備も甘いから力ある者達が弱者に対して無法を働く。
それに対して娯楽は少ない。
大変だな……。
それはともかく他人の前に自分のことを心配しなくては。
星の根源たる力を得ることは必須だ。
あれこれ工夫してみよう。
……
…………
………………
1年後、なんとか出来た!!
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