第34話 ダンジョン挑戦!

■8歳


8歳になった!


気功波(かめ〇め波)も大分改善できた。

威力、速度、精度、全てがかなり高いレベルになったと思う。


星の根源たる力へのアクセスも順調に習熟している。

その中であることに気が付いた。

ライフストリームのような中にはこれまで生きてきた人々の記憶があった。


つまりこの星に生まれた俺自身もこの星の一部と言えるのではないだろうか?

と言うことはダンジョンコアを介せずとも直接星の根源たる力に繋がっているのではないか?という仮説が生まれた。

その理論をもとにあれこれ試していると出来るようになった。

魂の根っこの部分とかがライフストリームとつながっているのがわかったのだ。

しかし、これはある程度慣れがあったから分かったことで普通に気が付くのは不可能に近いだろう。

ここに辿りつくためにはダンジョンコアを使った習熟訓練は必須だろう。


アクセス時間にも改善が見れた。

最初は数十秒がせいぜいだったが、徐々に伸ばし、今は数時間は維持できる。

アクセスしていると自然と態度も口調も男のように荒々しくなってしまう。

「私」と言うつもりが「俺」になり、丁寧な口調が粗雑になる。


まぁそんなことよりこの落ち着かない気持ちは戦闘では不利だろう。

自然な状態でアクセスできるように習熟しないとな。

ここらへんは先人の知恵ってやつだ。

孫〇空氏のやり方を参考にさせてもらった。


最近新たに取り組んでいるのは”鑑定”だ。

星の力へアクセスする際に見える様々な記憶。

これは星の記憶そのものではないだろうか? アカシックレコードってやつではないのか?

仮にそうだとするとだ。

ここから的確に情報を引き出すことが出来れば様々なことが分かるはずだ。

そう思い立ち”鑑定”の実現に向けて動き出した。


この膨大な情報を人間がいちいち精査していては間に合わない。

何かもっと簡単に出来るようにならないかな?

例えばパソコンみたいに……。

そうだな……、演算装置CPU記憶装置メモリー制御システムオペレーションシステムを作れれば良い感じになるのではないか?

モナン先生に相談してあれこれ考えてみた。

その結果次の素材が手に入れば目的の物は出来そうだという結論を得た。

演算装置CPUとなる素材としてラプラスという悪魔の魔石。

記憶装置メモリーにはサルガタナスという悪魔の魔石。

制御システムオペレーションシステムにはアシュタロスという悪魔の魔石。

これらを上手いこと組み合わせ、ライフストリームにアクセスすれば情報の吸出しは出来るだろうとのこと。


まずは材料集めだな。


まーちゃんに聞くと全部一つのダンジョンで手に入るらしい。


悪魔王サタンのダンジョンに挑む人間なんて聞いたことがないけど、るーちゃんなら大丈夫かな?」


魔王の間ではかなり有名らしい。

難易度としては最高峰とのこと。

場所を教えてもらい、いざ出発! 

飛行魔法で別大陸に渡り、さらに大陸の奥深く、深い谷の底にそれはあった。

大きく禍々しい形の門。それがダンジョンの入口だ。


時間もあまり無いことだしさくっと行こう!


出てくる魔物はどれも一筋縄では行かなかった。

俺が工夫に工夫を重ねた魔力弾で圧倒出来ない魔物がいようとは!

まぁ、連射すれば削り切れる。

しかし一撃必殺を目指し鍛え上げてきたため悔しくはある。

まだまだ改造の余地がありそうだ。


うぉぉお! 俺の防御魔法も突破してくるとは!!

その可能性を考え、回避していなかったらダメージを喰らうところだった。

防御魔法がすり抜けているように見えた。

完全に魔力を遮断しているはずだけど……。

空間を捻じ曲げているのか? とんでもないなぁ。


雑魚でこのレベルだ。

仕方ない。魔闘気を使おう。


そこからは雑魚は圧倒出来た。

鎧袖一触。さくっと倒していく。

しかし目当ての悪魔は大悪魔だったり、公爵級という上位勢だ。

こんな簡単には行かないだろう。


予想通りの苦戦。

ラプラス、サルガタナスはなんとか勝ちを拾えた。

どちらもかなり特殊な力を使ってきた。

世界の法則を変化させるような力だ。普通の戦い方では対抗できない。

ラプラスはまるで先が見通せるかのようにこちらの攻撃を回避してきた。

こちらが遠距離攻撃を意識すれば近距離で戦い、近距離に意識を回せば遠距離攻撃を主軸に攻めてくる。

こちらが出そうとする技の特性を確実につぶしに来る。

間合いを常に制されているような感じだ。


サルガタナスは姿を消したり、こちらの技を忘れさせるような記憶の改ざんを行ってきた。

いざ攻撃のチャンスが訪れても一瞬技の使い方が思い出せず手が止まってしまうのだ。

サルガタナスはその隙に体制を立て直していた。


悠長に戦っていては危険と判断し、バカみたいに出力を上げて単純に殴りつける方法で倒した。

どれだけ未来を予測されようと圧倒的な速度で動けば問題ない。

どれだけ技を忘れさせようとただ殴りつけるだけなら問題ない。


……なんか頭の悪い勝ち方だな。

もっとスマートに戦えるように鍛錬しよう。


そして大公爵級の悪魔アシュタロス。

こいつは何と魔闘気の最大出力で五分というとんでもない強さだった。

ミカナイ師匠の剣術、タケトナ師範の武術、モナン先生の魔術を駆使して戦うがどれも技術では二つ、三つ上を行かれた。


苦戦も苦戦。大苦戦だ。


でもなんかとても楽しい。

いままで鍛えてきたものが全て全力で出せる。

これはかなり気持ちいいぞ!


笑いながら戦っていたらアシュタロスのドン引きされてしまった。


結局自力ではどうにもならず、星の力に頼ったごり押しをした。

魔闘気とは比べ物にならないくらいの力が出せる。

アシュタロスも何やらパワーアップしていたが、この力には及ばない。


あっさり決着がついた。


しかしこれは勝ったと言えるのだろうか?

技術的には圧倒的に負けていた。

これはかなり悔しい。

これでも毎日真剣に剣術、武術、魔術には取り組んできたんだ。

最初はチート野郎に勝つためにやっていたが、今はそれ自体がかなり楽しくなってきていた。

まぁ相手はそれこそ百年単位で研磨を積んできたのだから数年しか修行をしていない俺が勝てるわけはない。

それと分かっていても悔しいものは悔しい。


ぐぬぬ。もっと頑張ろう。


アシュタロスの魔石を拾って、さぁ帰ろうとした時、悪魔王の使いという者に呼び止められた。

悪魔王が話があるそうだ。


―――――――――――――――――――――――

※あとがき

 33話でかめ〇め波が出せました!

 実はこの作品、最初に書きたいって思ったのが33話のシーン

 ちょっと一区切りです。

 

 私の場合ですが書きたいシーンが出来て、それに向かってどういう状況があればそれが書けるかを考えて設定を練っていきます。

 この作品は他作品のオマージュを多数散りばめた構成になっています。

 次に書きたいシーンは主人公13歳の予定。

 書き終わってないのでがんばって書きます。

 

 明日からちょっと出かけます。

 予約更新はいれておきますが、コメントの確認ができないため返信が遅れます。

 どうぞよろしくです。

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