TS転生! ロリコンから逃げるため最強を目指す!

さっちゃー

第1話 転生!!!

■0歳


う、うーん。


寝てたのか。


えーっと今は何時……。


うん? ここはどこだ?


時計を見ようと視界を巡らせたが時計が見当たらない。

というか俺の部屋じゃない。

西洋調のアンティークで固められたおしゃれな部屋だ。


あれ? ホテルかな? 旅行中だったっけ?


……起き上がろうとするが起き上がれない。


あれ?


手を見てみると、小さい……。

まるで赤ちゃんの手みたいだ。


うーん? どうなっているんだ?


必死に記憶を手繰り寄せていく。

確か……朝、目が覚めて会社へ行こうとして……、朝食は……何を食べたっけ? 

あぁ、限定特典付きの円盤購入やゲームの課金ですっかりお金が無くて抜いたんだ。

それでアパートの階段を降りている時にふらついて……。

そこから記憶がない。


うーん……、階段から落ちて救急車で運ばれた?

しかし、病院がアンティーク調ってのもなぁ。

そしてこの手が小さい理由は?

まるで赤ちゃんみたいな……

赤ちゃん?


……。

…………。

………………。


ひょっとして……。


これは……!?


転生!!!!!


転生と呼ばれるやつではないのか!?


そうすると何より確認しなければ行けないことは異世界! 異世界なのか!?


魔法は!? そこが重要だ!!!


今得られる情報だけでは断定できない。

ヨーロッパの金持ちの家に生まれただけかもしれん。

(それはそれでありだが)


何を隠そう、俺は異世界転生物の大ファンだ!

その手の話は片っ端から読み漁っている。

現代知識を活かして活躍したり、チート能力で無双したり憧れる!

あとハーレムよね。

猫耳! 合法ロり! エロフ! いやエルフ!


自分が異世界転生したらあーしてやろう、こーしてやろうと毎日のように妄想を膨らませていた。

それらの妄想を現実に出来るかもしれない!!


うぉぉぉ!! テンションが上がる!!


「うきゃい!」


テンションが上がりすぎて変な声だしてしもうた。


するとメイドさんがが近づいてきた。

部屋の隅に簡易な椅子が置いてある。

どうやら最初から部屋の中にいたらしい。


「xxxxxx」


何か話かけながら俺のオシメをチェックしたり、額に手を当て体調を確認したりしている。

話している言葉は分からない。


ちっ! 言語チートは無いのか。

難解な魔術書や誰もが読めない古代言語とかを読み解いて禁呪やお宝をゲットだぜ! みたいな流れは無理そうだ。

英語ではないね。たぶんだけど。


うーん。このメイドさんが何か異世界っぽいことしてくれないかな?

そしたら異世界転生だと確信が持てるのに。


しばらくすると眠気が襲ってきた。


うぅ……、異世界か確認しない……と……。


ほとんど抗うことが出来ずに眠りに落ちてしまった。


……

…………

………………


異世界かどうかこれと言った決め手が無いまま数日が過ぎた。

怪しいものはある。

最たるものが光っている棒だ。夜になるとその光る棒で明かりを確保しているようだ。

もしかしたら魔法で光っているのかもしれないが、ただのペンライトかもしれない。

ペンライトを照明として使うのはどうかと思うけども。

光の魔道具だったらいいなぁっと思って眺めている。

部屋にある照明はどれも同じ光源を利用しているようだ。


(……決め手にかけるなぁ)


ガチャリ


扉が空き、黒髪、黒目の美人が入ってきた。

まだ少女のようなあどけなさも残る顔立ちだ。

その黒髪美人は俺の手を握り、じっとこちらを観察している。


(まただ……。毎日毎日……これは一体なんなのだろう?)


この黒髪美人さんはいつもこうなのだ。

やってきては手を握り、こちらをじっと見つめている。

その顔は真剣そのもので、赤子を慈しむというより、何か使命感のようなものを感じる。


(この美人さんが手を握っているとなんかこう……妙にこそばゆいのよね。)


不思議なことにくすぐられている訳でもないのに変な違和感を感じるのだ。

本当にただ握らているだけ。一切動いていない。


(う~ん? あっ!!! これってもしかして魔力を感じる練習……とか?)


小さいころから感覚を覚えさせないと覚えられないとかそんな奴じゃないか?

絶対音感的な!


(そうと分かればこの感覚を必死に覚えよう! ……もしかしたら全くの勘違いかもしれないけどそれは考えないこととする!!)


このこそばゆい感覚を必死で感じ取り、覚えるように頑張る。

この黒髪美人さんがいないときは反復できるようにしておこう。

なんせ赤ん坊なので出来ることが他にない。


(よし! がんばるぞぅ!)


「うきゃい!」


黒髪美人さんは俺の気合が入った声を聞いてちょっと驚いたようだったが、そのあとは優しく微笑んでくれた。

さて、この黒髪美人さんだがどうも俺の母親っぽい。

俺自身を鏡で見る機会があったのだが、黒髪、黒目だった。

あと何度か母乳をいただいた。

基本は乳母っぽい人が俺に母乳をくれるのだけど、黒髪美人さんも俺に母乳をくれる。


この美人さんが母親だというのは将来に期待が持てる。

これはイケメン確定ではないか!?


……と思っていた時期が俺にもありました。

俺……女じゃんね……。



――――――――――――――――――――――――――――

※あとがき


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