第3話 魔力

◆ルアーナ視点


ハーレムは諦めたけど、まだ女湯が残っている。

志をもって強く生きようと思う。


それはそうとママンが美人と言うことは俺も美少女になることだろう。

そうなれば変態に気をつけねばならない。

……どこにでもいるからなぁ。ロリコンは。

赤ちゃん、幼児だからと言って安心は出来ない。何歳でもターゲットにされる。

ロリコンのストライクゾーンは広いのだ。


(対抗する術を身につけなくては!)


魔法技術の習得は死活問題となりそうだ。

子供なんてパッと連れ去られてしまうことだろう。

拉致監禁のうえ、薬決められてアヘ顔ダブルピースなんてことになったら最悪だ。


くすぐったい感触……魔力の操作はだいぶ慣れてきた。

結構自由に動かせる。

それでわかったのだが、どうも魔力の総量が少ないように感じる。

赤子の両手分くらいしかない。

なんとかして増やしたい。

魔力総量を増やすには使い切ることが異世界物のお約束だ。

そこで一つ問題が発生した。

使い方が全く分からない。

集めたり、動かすことは出来るけどそれだけだ。


(……困った。これでは魔力量を増やすことが出来ない。)


そんなことを悩んでいたらママンがやってきた

俺のことをじっと見つめ、何か思い悩んでいるようだ。

しばらくして意を決したようで、ママンは腕輪を取り出すと俺の腕にはめた。


(こんなぶかぶかの腕輪をつけてどうするんだ?)


不思議に思っているとこそばゆい感覚が……


(これは……魔力が放出されている?)


ひょっとしたらこの腕輪は放出をサポートする道具なのかもしれない。

なるほど……。こういう道具を使って感覚を覚えるんだな。


(ありがとう! ママン!)


「うきゃっきゃ!」


相変わらず思い詰めた表情のママン。

そこへ扉を開け男の人が入ってきた。

その男を見て、驚くママン。

何事かと身構える男。

そして男は俺を見つめ、腕輪に気が付くと慌てて、俺から腕輪を取り上げた。


(何すんねん!)


「うがぁ!」


抗議の声を上げると不思議そうに俺を見つめる。

そして腕輪を近づけてくる。

俺は笑顔を浮かべ喜ぶ。


「きゃっきゃ」


何事かママンと男が話し、腕輪を返してくれた。


(なんかよくわからんが魔力放出の練習が出来そうだ!)


そのあと1分ほどでまた腕輪を取り上げられてしまった。


(うぇぇ! 感覚をつかんでいる途中なのに!)


今度は抗議の声を上げても返してくれなかった。

なんでだよ!

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