第26話 ユリスとお出かけ


 それからしばらくして、俺達は寝ることにした。ベッドは二つあるが、三人並んで眠ることにした。



「ユリス、明日は何をするんだ?」

「そうねぇ……。とりあえず、街に出て買い物をしようかしら」

「分かった。リリアナもそれでいいかい?」

「うん、いいよ」

「よし、決まりだな」



 こうして、明日からの生活について話し合ったあと、眠りについた。



 ***


 翌日、目が覚める。

 隣を見ると、ユリスがスヤスヤ眠っている。



「可愛い顔で眠るじゃないか」



 ユリスの頭を撫でる。



「う~ん……」



 ユリスは目をこすりながら起きる。



「おはよう、ユリス」

「……おはようございます」



 ユリスはまだ半分くらい夢の中にいるような状態だ。



「もう少ししたら朝食にするか」

「そうします……」



 まだ頭が働いていないようだ。

 俺は着替えてリビングに向かう。

 リリアナは椅子に座って待っている。

 俺はキッチンに向かい、料理を作ることにした。今日はサンドイッチを作ろう。卵サンドとハムレタスサンドの二種類を作ることにした。まずは、パンにバターを塗る。次に具材を挟むための食材を用意する。俺は調理に取りかかった。数分後、完成した。我ながら美味そうだ。俺は二人分の皿に盛り付けをして、テーブルに運ぶ。



「出来たぞ。食べようか」

「はーい!」



 リリアナは元気よく返事をした。ユリスも遅れてやってくる。



「美味しい!」

「これはなかなか……!」



 二人は絶賛してくれた。喜んでもらえて嬉しいな。



「パパ、おかわりしてもいいですか?」

「もちろんだ」



 リリアナのお腹は満たされなかったらしい。俺はリリアナの食べる姿を眺める。

 幸せそうな表情で、一生懸命に口に運んでいる。

 ユリスの方は、少し控えめに食事をとっている。

 しかし、その口元には笑みが浮かんでいた。



「ごちそうさまでした! とてもおいしかったです!!」

「ありがとう」

「ふぅ……、お腹いっぱい」

「ユリスは食後のデザートを食べるか?」

「ええ、お願いするわ」



 俺は冷蔵庫からプリンを取り出した。



「お待たせ。これが今日のメニューだ。味わって食べるといい」

「わぁ!これって噂に聞く『ぷりん』ってやつですよね!? 楽しみです!!」

「気に入ってくれると嬉しいな」

「いただきます」



 ユリスはスプーンを手に取り、一口食べた。



「おいしい!」



 ユリスは笑顔になる。気に入っていただけたようで良かった。

 リリアナもユリスと同じように、美味しそうに食べている。二人の様子を見ていると、心が癒されるな。



「ねえ、オーフィア」



 ユリスが話しかけてくる。



「なんだ?」

「今度、一緒にどこかへ出かけない? たまには二人でゆっくりしたいと思ってさ」

「そうだな。久しぶりにデートでもするか」

「やった♪」



 ユリスは嬉しそうに飛び跳ねた。



「私も行きたい!」



 リリアナが会話に入ってきた。



「あら、リリアナちゃんはお留守番よ? 私たちだけで楽しんでくるから安心して」



 ユリスはリリアナに言い聞かせるように話す。



「ぶぅ~、ユリスお姉さんのいじわる」



 リリアナが頬を膨らませる。


 リリアナはあまり納得していない様子だった。



「まあいいじゃないかリリアナも連れて行っても。三人で行こうぜ」



 俺はリリアナを説得することにした。



「オーフィアさんがそう言うなら……」



 リリアナは渋々了承した。



「よし、それじゃあ三人で行くか」

「ええ、そうしましょ」

「わぁい、みんなでおでかけだ」



 俺たちは外出の準備を始めた。

 俺は服を選び、ユリスは髪を整える。

 リリアナは俺達の邪魔にならないように部屋の隅で待機している。



「あら、リリアナちゃんもおめかししなきゃダメよ」

「いいの?私もおしゃれできるの?」



 ユリスの言葉を聞いてリリアナは嬉しそうにしている。



「ああ、構わないよ。ただし動きやすい服装を選ぶんだぞ」

「うん、わかった!」



 リリアナは元気良く返事をした。

 リリアナはタンスの中から洋服を取り出す。



「どれにしようかな……。あっ、これにしよう」



 リリアナは水色のワンピースを選んだ。

 早速、着替える。



「どう、似合ってる?」



 リリアナはその場でクルッと回って見せた。

 ワンピースの裾がフワッと広がる。



「うん、とっても可愛いよ」



 俺はリリアナの頭を優しく撫でる。



「エヘヘッ、ありがと」



 リリアナは照れくさそうに笑う。



「ユリス、準備は終わったか?」

「もうちょっと待って」



 ユリスは鏡の前で髪型を整えている。

 そうして、しばらく待った後ユリスが現れた。


「おまたせ」



 ユリスは俺の前に立つ。

 ユリスの服装は白いワンピースだ。



「ふーん、結構綺麗だよ」



 俺は素直な感想を述べる。



「ありがとう。でも結構は余計じゃない?」



 ユリスは微笑む。



「お兄さんとお姉さんはラブラブですね」



 リリアナは冷やかすように言った。



「そういうお前だってパパ大好きっ子だろうが」

「そ、そんなことありません!」



 ユリスは顔を赤くして否定する。



「ほら、早くしないと置いていくぞ」

「ま、まってぇ!」



 リリアナは慌てて靴を履いて追いかけてきた。

 そうして、俺たちは近くの町へと出かけて行った。


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