専属メイドさん(1)
2025/3/13(木)ーーーー12:46ーーーー星間島ーーーー白星デパート
スイカはユミリと和食店にいる。注文した料理はもう来た。ユミリは興味深そうにりょうりを堪能していて、やっと静かになった。一方、スイカはまだスマホをいじっている。
『とにかくおすすめの防犯グッズ教えるから。』
その後、和祁はそう答えた。
『うん。』
と、スイカは送信した。
『そのかわりに、2160円をくれてくれてください!!!』
それは多分食費。
『ふふ、一人の無力さを思い知ったかバカ。』
『うむっ!?』
『よく私を捨てたな』
スイカは笑みを浮かべながら文字を入力している。そして自分が笑ったことに気付いたら、スイカ気付かれたかなと思って慌ててユミリの方を覗いた。
幸いユミリは和食の研究に専念している。
『捨てる神あれば拾う神あり。』
『ことわざはいいけど、それって私を捨てた理由?』
咎めると、和祁はokの手真似した美少女スタンプを送ってきた。
『じゃ、カツケ、頑張って、拾う神を待ってて。』
『その前警察に拾われるだろ、助けて!』
和祁は金が足りないみたい。
そして、スイカは疑問符を持った美少女スタンプを返した。
『スイカこそ僕の神でございます!スイカサイコー』
そう言われてスイカは噴き出しそうになるくらい嬉しくなった。
冗談としても、嘘としても、褒められたら嬉しくなってしまう。
『だからどうしてかってに行っちゃったのよ?』
『それは……』
『ユミリさんがいるから?』
『うん。』
『どうして?』
『ユミリさんが苦手かな。』
このメッセージを読むと、スイカはなんとなくホットした。
『苦手だから逃げたのか、弱虫だね。』
『もちろんだろ!それはいいなずけだよ!可愛いだよ!女の子だよ!』
『婚約者はともかく、可愛いのもいいが、って私女の子失格って言うのか!?』
『スイカは違う、慣れてるから。』
『へぇー、慣れれば女の子失格のねー』
『いや、僕にとってスイカちゃんは女神だよ。』
『ふん、カミに拾われるより、自分でカネを拾えばいいぞ、ファイト~( ・ㅂ・)و ̑̑』
『燃えるな、その言葉。って、金は?』
『はいはい。おごる。カツケはアカウントに金もう尽きたのか?』
『クレジをもってない、アカウントにも金がない』
『わかった。お金移してあげる。』
そしてスイカはアプリを開いて、3000円を和祁のアカウントに移した。
「スイカちゃん、何を見てます?楽しそうですね。」
その時、ユミリから話をかけられた。
「別に。」
「わたしも見たいです。」
「なんでもありませんから。」
スマホを奪われないように、スイカは直ちにスマホをポケットに置いた。
「スイカちゃん、まだ食べてませんね?」
ユミリは自分の食べかけた和食を見てはスイカの前に置かれたままの料理を見てそう尋ねる。
「ユミリさんが食べるの早すぎじゃないんですか。」
「でもアイスクリームは溶けてます。」
「えっ!?」
スイカは慌ててテーブルを見てアイスクリームを探そうとしたが、影も見つからなかった。そして思い出した。
「いや、ちょっと私はアイスクリーム注文してません。そもそもここは和食店ですね。」
今の和食店にアイスクリームがあるのも普通だが。
「はははぁ……」
ユミリは朗らかに笑い出した。
「からかわないでください。」
いたずらされたと気付いた後、スイカは恥ずかしさを堪えて平然に言った。
「ごめんなさい。スイカちゃん可愛すぎますから。その、ぼ……sillyのスイカちゃんも可愛いですよ!」
「別に。」
ユミリは悪意なさそうだから、スイカは怒るのをやめた。ちなみにsillyとはなんの意味なのかスイカは知っていない。
「本当にアイスクリームがあれば、本当に溶けていますよ。」
「わかってます!」
「スイカちゃん、早く食べないと寒くなてしまいますよ。」
ユミリはスイカの前の食べ物を指さした。
「寿司ですけど!それに寒くなるじゃなくて、冷めるというのです」
「うん、寿司ですから、さむ、冷めたらまずいではありませんか?」
「寿司は元々冷たい食べ物ですよ?」
「えっ?そんな?寿司はriceでしょう?riceは暖かいうちに食べるのではありませんか?」
「お米はお米、寿司は寿司です。まさか、ユミリさんは寿司食べたことないですか?」
スイカは流石にriceという単語を知っている。
「もちろんありますよ。でもいつも電子レジであたたかめてから。」
「そうですか。そうする人もいますけど。」
「えっと、これってなんですか?美味しそうな気合いしてますね。」
ユミリはもう一つのプラントを指さした。
「桜餅です。ちなみに、気合いはそう使いません。」
からかわれていたので、スイカは冷たい口調を使っている。
「気合いって、稲妻が貫くようなものでしょうね。」
「確かに。」
「美味しいものは元気いっぱいくれるのではありませんか?」
「うん。」
「ですから、気合いで美味しさを表現していいでしょう?」
「そう使いませんって。でも、ユミリさんの日本語は上手と思いますね。」
スイカは思ったままに言った。
そしてユミリは急に褒められて興奮になって、危うく飲んだジュースを噴き出すところだった。でも逆効果として、彼女はむせた。
「くっくっくっ!」
「えっ、大丈夫ですか?」
そう尋ねるとユミリは応えようとも答えられなくて、ただ手を振っている。
それを見て、スイカは桜餅を取り上げる。。
(これでユミリさんも静かになるね。そろそろ食事しようか。)
「くっくっくっ!」
スイカは桜餅をかじった。
「くっくっくっ!」
スイカは続けて食べる。
(ここの桜餅意外と美味しいね。)
「くっ、くっくっ!」
スイカは咳が止まらないユミリを睨んだ。
(ちょっとうるさくない?)
「くっくっ!」
「本当に大丈夫ですか?」
スイカはちょっと心配になって聞いた。
「ありがとうスイカちゃん、もう……くっ……大…丈夫です。」
「そう見えてませんけど!」
しばらく経って、ユミリはようやく咳が止まった。
「桜餅って、桜で作ったのですか?」
「さぁ。」
そろそろ食事を終えたスイカは適当に答えた。
(正直そんなこと誰が追究するか。)
「ところで、今桜の季節ですよね。春ですね!花見に行きませんか?」
「行きません。」
「えっ、桜の一番の時なのに?」
「うっ……」
「せっかく日本に来て、スイカちゃんにも会えましたのに、一緒に花見に行きたいです。」
「それは……」
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