エピローグ
2025/3/25(日)ーーーー10:12ーーーー星間島ーーーースイカの屋敷
スイカはいつもの通りソファーに寝てスマホを弄っている。
「スイカちゃん!」
楽しそうに彼女に話をかける金髪少女はユミリ。氏族の原因でスイカの生活に割り込んでからはもう10日間くらい。
同時に親友の和祁も泊まっているので、スイカは初めて賑やかな春休みを味わった。時々うるさく思うが、本当は楽しかった。
「ウィッス。」
心にまだ嫌な気持ちがあるが、スイカもだんだんユミリを受け入れて、親しく挨拶した。
「ウィッススイカちゃん!」
日本に来てからユミリも色々教えられた、例えばこの『ウィッス』。
「スイカちゃんはなぜここで遊ぶですか?広いところが好きですか?」
部屋でスマホをいじれるのに、なぜスイカはリビングルームに来た。ユミリは疑問を出す。
「えっ?」
スイカはポカンとした。自分もよく考えていない。多分ただの習慣だろう。
少し考えてからスイカは答える。
「更正、広いというより……部屋から出ずゲームばかりしてまるで閉じこもりじゃないかと。」
「なるほど、スイカちゃん大人しいですね!」
「まぉ、うん。」
スイカは適当に答えた。予想した『これじゃ閉じこもりじゃないですか!?』というツッコミは来なかった。
代わりに褒め言葉を聞いた。
(認めたくないが、やはり褒められてちょっと嬉しい……)
と思っていて、スイカは和祁の方を見ていく。彼もスマホいじっていて話をかける気はなさそう。
(いや、今は、今は……カツケとユミリを仲良くさせるべき。)
白星パークの事件が終わってから、スイカは譲って二人の感情をアップさせようとした。一応効果はありそうだ。
「ねぇ、和祁さん、なんのゲームやってますの?教えて。」
ユミリは自ずから和祁に近寄った。
「……」
スイカは黙って睨んでる。
『和祁さん』という呼び方を聞いた時、スイカはなんとなく胸がドクンとなった。
(カツケは、カツケは……)
「ええっ?」
和祁は迷ったようにユミリを見る。
「面白そうですから。」
ユミリは笑顔を見せながら彼のスマホ画面を指さす。
(ふふふ、この男ゲームをきっかけでスイカちゃんに近付くつもりでしょう!つまりスイカちゃんと同じゲームやってますよね。彼のやってるゲームを知ったらーーーーふふ。)
ユミリは笑うに禁じ得ない。
二人が話し合い始めた。
「……」
二人の会話を聞きながらスイカは何気なくスマホゲームをやっている。
しかし息が苦しくなる。
(いや、違う……私が望むのは……)
14:15ーーーー二階廊下
「ユミリさん。」
スイカは急に足を止めて、後ろに付いているユミリに声を出した。
「えっ?スイカちゃん?なに?」
ユミリは満面の笑みを見せてスイカに立ち寄る。スイカから話をかけられるのは珍しいから、ユミリはすごく嬉しがった。
「その、私も……私もその……お嫁に……」
スイカはじどろもどろに言う。
頭が空白で、力いっぱいで言葉を絞り出す。
「!?うん!?」
ユミリはテンション上がった。
(もしかして告白ですか!?わたしの愛はつい報われますか?!)
ユミリの様子を見て、スイカは考えた。
(これは……怒ってる?やはりカツケのこと……好きなのか?)
スイカは深呼吸してから、真面目に言った。
「私も、カツケのお嫁になりたいのです。」
大きくないが強い声だった。
(やっと言い出した!)
スイカが歓喜するうち、急にーーーー
曲がり角から、和祁が出てくる。
スイカ瞬間に目を鬼のように大きく見開いた。
何もかも止まったような感じ。
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