高校生活の始まりと抑えきれない感情
プロローグ 侵入クエスト(1)
2025/3/29(土)
あるセーラー服の少女は純白の廊下を歩いている。ここはまっすぐな廊下で、彼女の前に曲がり角がある。
少女はもうすぐに16歳になるのだが、まだ幼く見えて、子供っぽい顔はとても可愛い。だけど、その眼差しからは外見と一致しない強さを持つーーーーそして、彼女の左手にあるのは一本の拳銃、しかもパワーアップのタイプ。
彼女は不意に淡い紫色の長髪を払い、右に曲がろうとするーーーーそうするとCM3号廊下に入り、その果ては目的地。
目標にだんだん近付いていると、少女はわかっている。
(もうすぐだね。)
そわそわしている彼女は息を止める
そして、曲がったらCM3廊下の真ん中で4本の黒い盾と6つの銃口が前方にーーーーつまり少女の立つところに向いている。
名は白鷺スイカという少女は一瞬びっくりした顔を見せてから、経験や意識によって直ちに派手な仕草でーーーー舞い踊るようにーーーー適当に銃を打ちながら半円形で滑って回転して前の廊下に戻ってきた。
次の瞬間、左斜前の壁にぱらぱらと火花が散ってたくさんの弾丸が床に落ちてしまった。
少女は弾丸を避けられて、安全な死角に隠れているのだが、心はまだ震えて止まらない。もし自分がすこし遅れたら、もう千石通になってしまったのだろう。
彼女は【幻紋】(イルーサリィライト)のおかげでより速い反応を持っているから身を守れた。
(こんな力持ってよかったね。)
彼女は思わず感心する。
情報によって、さっきのは防衛兵隊で移動はしない。ただ視界中の敵を打つだけで追ってこない。簡単に言うとトラップと同じだ。
彼らの役目は区域を分けて、侵入者の行動範囲を絞ること。
とにかく、【ストリートスィーパ】が来るまで、スイカはセーフなのだ。それに、【ストリートスィーパ】は仲間達に引かれたはず。
「うむ。」
スイカは唇を突き出して、床を覆った弾丸達を見て不機嫌になっていく。
彼女は壁に寄りかかって、バッグの中から通信器を取り出してボタンを押した。
しばらく、それからはっきりとした男の声が出てきた。正確に言うとある少年の声だった。
「何があったの?」
とても落ち着いた声だった。彼はスイカと特別な関係があるとは思えないほど。
「おいおい、こら!?おかしいじゃねぇ?こんな難しいクエやらせるなんて!?」
「一緒に選んだクエだけど。」
「うるさい!とにかく、このバカな決定の責任を取ってよ!そんな敵無理だよ!弾丸1発打ったら一壁の弾丸を返してくるのよ!」
「はいはいはいーー」
「誤魔化すんな! !私は…」
スイカが言ううちに、声は泣きそうに聞こえた。
「私は本当にここで死ぬかもよ?」
「はいはい、なら生き延びるためにも頑張って、白鷺お嬢様。」
少年の口調は全然誠意や敬意がない。
「ぐうっー!」
スイカの口から、野獣のように人を震わせるほど凶暴な声が出て来た。もしその少年は今彼女の前に立っているのなら、きっと魂を彼女の怒りの満ちた目付きに消されてしまうだろう。
「とにかく真面目にやろう。学園から特殊装備もらったんだろ?僕もコントロールセンターを侵略しようとしている。」
「もし私が【倉】に入った時、あなたまだファイアウォールを突破できなかったらどうする?」
「それはもう突破した。今は【暗証番号】を解いてるけど。」
「安心して、スイカ。あなたもそこに突破して入っちゃったら、僕もやり遂げたはず。」
「うん。ちょっと、どういう意味??私が劣ってるように聞こえるけど!?」
怒ったような言葉だけど、スイカは笑っている。
何気ないやり取りだったけど、揺ぎない力をスイカに与えた。
「とにかく、頑張って。」
ーーーーそして通信が切れた。
「うむ、むかつく。」
スイカは目を細めてしばし手にした通信器を見つめた。
「えっ……」
そして彼女はため息をついてから通信器をバッグに戻して、ポケットから二つの赤い弾丸を取り出した。
一つは先端に青金石がハマっている。純度かま高くて輝かしい。もう一つには爆発の印が写っている。威力大きなタイプらしい。
依頼人はもちろん敵の情報を持っている。そして学園は必要なアイテムを用意してくれた。
つまり、今のスイカは勝てる。
「まぁ、勝てるは勝ってるじゃないけど。」
(でも、カツケも頑張ってる限り、私もがっかりさせられない。)
正直、スイカはその少年を重んじている。彼一人のためでも自分は負けてはだめだ。死んじゃだめだ。
この思いはいつの間にか彼女の心の底で深く植わって芽吹いた。
そして少女はまず潜望鏡を使って観察しようと思った。もしかしたら兵隊はもう退いたかもーーーーもちろんそれはほぼ不可能だと彼女は知っている。
潜望鏡を取り出して、スイカはその一端を壁から出して、左目を閉じ、右目をもう一端に寄せる。
やはりそいつらはまださっきと同じ陣形と仕草を保っている。
これはやばい。
6つの銃口、見れば見るほどスイカは怖がってしまう。
彼女が着ている防弾制服はこれほど強い弾丸を防げない。
それに何を経験したかはともかく、今の彼女はただ15歳の少女。
「やはりみなカツケのせい! ! ! 」
彼女は憚らずに叫び出した。追い手はこないとはいえ、敵陣の中でこうするのはやばい。
腹を決めるしかないとスイカは深く一息を吸い落ち着こうとする。
だが、やはりーーーー
「こんな状況で落ち着けるわけないじゃない! ! ! 」
スイカはどっと手を振ったら、『パッ』と潜望鏡ご手から離れ、床に落ちてしまった。
「やばっー」
スイカは慌てた。でも潜望鏡を見ると、それは一つ傷もついていなくてーーーーバトル用アイテムはもちろん落ちるだけで壊れるわけがないーーーー彼女が驚いたのはそれではない。
「どう…して……」
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