突入してくるいとこ(7)

 

 OLは顔が真っ赤に染まり、怒りを示すように怖い表情を見せている。幸い、彼女の声はあんまり大きくなくて、喫茶店の曲に混ざり消えた。おかげで、こっちに気を配る人は少ない


 和祁はOLの凛々しく姿に怯えた。

 やばい予感がする。


「こいつです!この変態です!」


 とんでもないことに、パロは怒ったように立ち上がり和祁を指差す。



 …………


 パッ! と和祁は惨めにピンタをくらってしまった。


 そして彼はショックを受けたようにぼうっと佇む。


 ……………



「やはりいいやつじゃないんですね。パロは彼とネットフレンドで、リアルに会いに来ました。まさか、そんに嫌らしい人とは。さっきからパロを触ってて……ずっと我慢してました。でも知らない人にも手を出すなんて、信じられません!」



 パロは泣いて泣いてOLの同情を得た。


「そうですか。お嬢ちゃんははやく通報した方がいいと思います。ちゃんと罰を与えないとね。」


 言葉を残して、OLはようやく立ち去った。その前は再び和祁にピンたを食らわせた。



 …………



「……」


 両頬にも腫れが出た和祁はぼうっとしている。人生を疑っているかも!


「……」

 パロは興味深そうに彼を見つめている。


「……おい!いきなり何をするんだよ?」


 パロのメンツを保つため、騒ぎを抑えるため、和祁は声を低くした。


「兄上は優しい人ということを証明するためですよ!」


「はぁ!?」


「そんな酷い目に会っても、怒ってなくて平然にパロと話しています。これは兄上かお人好しってことの一番の証拠ではありませんか?」


「……」

(この子は腹黒いのだ!)

 ついに、和祁は気付いてしまった。



「ですから、付き合うのです!」


 すばらしい笑顔を見せながら、パロは両足を上げて和祁の太ももに載せた。膝はほぼ和祁の顎に当たっていて、靴先は和祁の手元にある。

 靴から出ている黒ソックスの履いた足の甲は誘惑的に見えている。


「待って、ソファー踏むな、汚いぞ。」


「あ、そうですね。じゃ靴脱いじゃいましょう。」


 パロは座ったまま気軽に靴を脱いで床に飛ばして、黒ソックスを履いた足で和祁の手を踏む。


「なんてことをする!?」


 スイカよりも小柄とはいえ、パロも可愛い女の子だ。今手がその足裏に触れている。ソックス越しに、足裏の柔らかさを感じている。


 和祁はふと顔を赤くした。


「えへへ、パロの足を舐めてくれませんか?」

 パロは言いながら脛を蹴り上げて、つま先を和祁の顔に近付ける。


 すると、気流と共に、変な匂いが和祁の鼻腔に伝わる。




「イタズラするな。今食事中じゃねぇか!!」

 和祁は頬を赤くしたままパロの足を掴んで元に戻させた。

 でも正直、パロの足は少し臭かったが、嫌ではない。


「へぇ、じゃ、食事中じゃなけりゃいいんですね?じゃ帰ったらパロの足を舐めなさい!」

 パロはまたもう一本の足を蹴り上げる。しかも今度はつま先で和祁の口や鼻を塞いだりしたのだ。


 和祁は慌ててパロを止めさせる。


「そうは言ってない!」


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