専属メイドさん(3)
2025/3/13(木)ーーーー15:22ーーーー星間島ーーーースイカの屋敷ーーーーリビングルーム
「ところで、皆様。」
4人がソファーに座ると、真弓が話し始める。
ソファーは3台しかないので和祁と真弓はそれぞれ1人掛けのソファーに座った。スイカとユミリは一緒に真ん中の大きいソファーに座っていてイチャイチャしている(スイカは嫌だけど)。
「うん?」
和祁達は答えた。
「今日はわらしべ長者のようなこと起こりましたよ。」
真弓の口調は真剣ではない。多分雑談だけだろう。
そして彼女はユミリが変な顔していることに気づいて、訪ねてみた。
「あら、どうなさいましたか?」
「別に。メイドさんがこんなに……自然に話をするのが……びっくりしました。」
「メイドを侮るなよ。メイドも普通の雇用関係でしょう。」
スイカは不機嫌そうに答えた。
「いいえ、感心しています。スイカちゃん、メイドさんを平等にするなんてえらいですよ。」
「ですから普通の雇用関……聞き取れなかったのですか……」
「しかも日本は厳しい階級社会と聞いています。まさかこんなに自由ですね。」
「日本の階級は確かに厳しいですが……」
「やはりスイカちゃんは、その、ドキョですか?そのことわざはなんでしたっけ、ドキョ、いや、アキョ……IQ?」
「私男ですか!?」
「とにかくスイカちゃん優しいですよ。メイドさんの気持ちに気を使って。」
「……」
それから三人は続けて真弓の話を聞いていく。
「わたくし今朝空港でリング一本を手に入れました。」
「わらしべ長者というのなら、じゃ、何で取り替えたの?」
スイカが聞いた。
「えっ?そんなことありませんよ、拾っただけです。」
「えっ?」
今度は和祁が困った声を漏らした。
「取り替えるのはあとの話です。あと、一人の坊やさんそれが欲しいって1000円で取り替えようとしてました。」
「いや、取り替えるより取引でしょう。」
「そもそもリングのような貴重なもの拾ったら警察に預けるべきだろ。」
スイカと和祁がつっこんだ。
「そうですよ、ですからわたくしも坊やさんにそう伝えました。」
「うん。」
「言い判断だな。」
「ほぉ?」
スイカ、和祁、ユミリという順序。
「そしてわたくしはその1000円でくじを引きました。」
「「結局取引しちゃったんじゃ!」」
スイカと和祁が異口同音だった。
「大丈夫です。見ればそのリングは貴重じゃないのがわかります。」
「「見るだけで?!」」
「never judge a book by its coverって。」
ユミリはまたそのことわざを取り出した。
「それで終わりって思ってますの?違いますよ。」
「それで?」
「まさか警察に連れられちゃった?」
和祁からのスイカ。
「お嬢様ひどいです。わたくし良民ですから。続きはーーーー以上全部冗談でした。」
「そっちこそひどい!」
スイカは即ツッコミした。
「実際の状況は旅の予算は1000円残りましたので、くじをひくことにしました。」
「普通。」
「まじ普通。」
「普通ですね。」
和祁から、スイカ、ユミリ。
「結果は普通賞ではありませんよ。」
「「慰めの賞?」」
「二等賞でございました!ハナゾノパークの花見チケット5枚手に入れました!」
「えらいえらい。」
スイカ適当に答えて、ついでに拍手した。
「花見ですか!」
ユミリは本当に楽しそうに見えた。
「そうですよ。4人で一緒に花見に行きましょうか。でも、余った1枚はどうします、お嬢様?」
「かって。」
「はい。」
真弓の声が消えたが早いか、ユミリはナイフを取り出した。
「私に任せて、刈るのですね。」
「「……アメリカジョック(ですか)?」」
和祁とスイカは共にツッコミした。
「えっ?わたしはフランス人ですけど。」
「そこじゃありません。」
言って、スイカはため息をついた。
「まぁまぁ、お嬢様がそうおっしゃるなら、捨てましょう。」
真弓が笑いながら言う。
「「適当すぎっ!」」
「スイカちゃん、チケットを大事にするために、一緒に花見に行きましょうよ!」
ユミリは強くスイカを抱きしめた。その横顔を見込んでいる。
一方、スイカはこれからのことを心配する。
(行ったらきっといたずらされちゃう、きっと!どうしよう!)
「今度の春休み長いし、行っては悪くないな。」
和祁は提案を肯定した。
「いや、私は反対です。」
でも、ユミリは異議を出してしまった。
「なんでユミリさんが!?」
和祁は驚いた。
「わたしはこの……かつけという男と一緒に行きたくありません!」
ユミリはイライラとしてたまらなくて、思わずそんな言葉を口に出した。彼女自分も驚いている
(もう、わたしったら。そんなこと言ってしまって……愛を直接にスイカちゃんに示してるんではありませんか!!)
そう考えると、ユミリは恥じらったように顔を真っ赤にした。彼女は慌てて手を振っているどう見ても照れている。
それを見たスイカは目を細めた。
(ツンデレかよ、あなた!)
(やはり僕を拒絶してるな、やはりはやく婚約を破棄しないと……)
和祁はふと顔を下げる。
(後輩達が青春っぽいだね、すこしは羨ましい)
真弓は微笑んで三人を見守っている。
「行きたくなかったら、行かないことにしましょう。元々付き合う暇がありません。」
スイカは怒りを抑えながら脅かす。ユミリを大人しくさせようと思った。
しかしユミリは付き合うという言葉しか聞いていない。
「スイカちゃん、これって、まさかーーーー」
「なんですか?」
ユミリの呆れた顔を見て、スイカはなんとなくうれしそうに微笑んだ。
「ツンデレというものですか?」
「??ツンデレさんにツンデレといわれたくありません!」
スイカは噴き出すところだった。
「ええっ??」
15:37
「チケットの時間はいつ?」
スイカが聞いた。ユミリがずっと甘えているから、仕方なく頷いた。
「今月中ですね。」
「ねぇ、ユミリさん、いつに行きたいですか?」
嫌だが、スイカは振り返ってユミリに訪ねた。
「今すぐ行きたいです!」
「そう、明日ですね。わかりました。」
スイカは冷静に結果を繰り返した。
「わかりました。用意います。」
メイドとして真弓はお辞儀した。
和祁も頷いた。
不満があるけど、決着がついたから、スイカはこの場を去っていく。
しばらく、和祁も立ち上がり部屋に戻ろうとする。
ユミリは立ち上がる和祁に気付いた。
(!!!動いてます!まさか、この男は後ろからスイカちゃんを襲うつもりですか!?)
スイカを守るために、ユミリも慌てて立ち上がって、スイカに走りかけようとしたが、腰がテーブルにぶつかってしまった。
「わっ!」
そして、体勢を保つための足はソファーにぶつかってしまった。すると、ユミリは完全に体勢が崩れて、和祁へと倒れ込んでいく!!
「あれっ!?」
和祁も驚いた。しかし情報科の彼は経験が少なくて、何をするかわからないようだ。
(えっ?!どうする?!助ける?助けられる?)
彼の意識が迷う時、体はかってに動き始めた。
彼思わずに左に足を踏み出し、砲弾のようになったユミリを避けた。
なにこれとばかりにそっちを見ていくスイカは呆然に瞬く。そして、ユミリご痛い目にあってしまうのに気づいて、彼女は直ちに目を閉じた。
ぺんっ!
と、ユミリは派手に転んだ。
「うわ!」
ユミリは苦しそうに呻り、可哀想に見えた。
スイカは作法を考えてユミリを慰めようと思った。
だがーーーー
「大丈夫か?!」
「お客様、怪我ありますか?薬取ってきます。」
和祁と真弓は心配そうにユミリを囲んでいる。
「……」
スイカは無言なまま見ている。
(まぉ、私がいなくてもね。)
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