誰かと付き合ってみたい(2)
簡単な一言で彼女は正式的に会議を始めた。
「わたくしはアリスと申します。この学園では書記の書記を務めてます。書記は用事ごありますので、わたくしが代わりに演説します。」
アンドロイドみたいな冷たい言葉を、彼女が無表情なまま言った。
「まずは我が学園を信じ選んだ各々へ感謝を。これから皆さんはすぐ新しい環境で勉強を続けます。中等部から上がった方もいますが、高等部には新しいことを体験できるでしょう。早く学園の生活になれてほしいです。」
「また、よりいい学校に受かれなかった方もがっかりしないでください。我が学園に入れたのは、十分優れた幻紋使い手に違いません。」
慰める言葉だが、感情がない。
「そして学園の実力を信じてほしいです。ここは世界中でも名声高い幻紋研究基地であります。何万人の能力者はこちらの技術によって生きています。」
……………
実は和祁の能力なら、日本一番の東京戦闘学園にも受かれる。でも星間の中等部から卒業したので、そのまま高等部に入ろうと思った。そして彼の親はもう星間島にアパートを勝ってくれたし、東京の家賃もたかいし。尚、東京戦闘学園は幻紋だけでなく、様々な能力を研究しているので、幻紋の研究は星間学園に劣っているかもしれない。
(とりあえず、スイカと一緒にいられてよかった。)
なんとなく、和祁はそ思っていた。スイカの寝顔を見つつ、幸せを感じている。
「だから見ないでって言ったの。」
と、スイカは囁くように言った。
「ちなみにーーーー皆さん、」
ちょっと変わった口調で、アリスは言った。
「昨日は何時に寝ましたか?あるいは今日は何時に寝ました?いくらなんでも今は眠る場合ではありません。元気を出してください。入学前の会議をどうでもいいと思ってますか?」
ついに、アリス先生感情帯びた言葉をいい出した。
彼女は明らかに怒っている。
注意されたら、和祁は緊張になって、思わずにスイカの方を見た。でもスイカは逆に何気なく目を閉じたまま寝ている。眠り込んでいないから、アリス先生の言葉を聞いたはずだけど。
(本当に余裕あるんだ……)
和祁は心の中でツッコミして、大きく息を吸ってから、話をかけていく。
「やはり寝ない方がいいかな、書記さんは怒ってるけど。」
「怒ってもどうした?大丈夫だよ。」
「でも注意されたし。」
「それだけで緊張になって、カツケ臆病だね。」
「……」
スイカもそう言ったうえ、和祁は気にせず視線を演壇に移した。
確かにこういう注意に騙されるのは小学生くらい。和祁はただその気合いに驚いただけ、何も起こらないと信じている。
「ある生徒は悔い改めないようですね。わたくしの言葉を空気とするならば、最初から来なかった方がよかったではありませんか?」
アリス先生の声はホール中鳴り響く。今回の勢いはすべての生徒を驚かせた。誰ひとりも逆らえられなかった。
こんな会議で怒鳴る先生いるかよ、と、多くの生徒が思った。
会場は静まり返って、生徒達はアリス先生の次の言葉を待っている。
息をつく声さえ聞こえるほど、静かだった。
とても気まずく感じたから、和祁は再びスイカを見ていくに禁じえなかった。
彼女はまるで自分一人の世界にいるように、仮寝し続けている。
一方アリス先生はそう宣言した。
「そんな生徒には、罰が必要ですね。ではーーーー」
その時、和祁は聞きながらスイカを見つめている。彼は再びアリス先生に視線を戻そうとしたら、異変があった。
一筋の強い光が突然スイカを包み込んだ。ライトじゃなくて、反射で集まった日差しなのだ。
「?」
スイカはもちろんその明るさと暑さを感じた。彼女は顔を顰めて、瞼を少々開いた。
眩しすぎる。
「そこで寝てた君、立ちなさい!今すぐに!」
アリス先生は怒鳴った。
これでは和祁達は状況をわかった。
スイカはおずおずと立ち上がった。眩しい光のせいで、目を閉じている。
でも、見なくても全員の視線はこっちに集まったのがわかった。
恥ずかしい。
気まずい。
スイカの顔は太陽の輪みたいに赤くなってしまった。
他の生徒達のささやきも彼女の耳に入ってくる。そしてそれたちを抑えたのはアリス先生の声だ。
「ちゃんと目を開きなさい!こっちをみなさい!」
「……」
スイカは悔しそうに手を握りしめた。
(せめて光をけしてよ。)
彼女は心の中で祈ったけど、明らかにアリス先生にはそのつもりがない。
仕方なくて、ちょっとためらってから、スイカはゆっくりと目を開いた。
すると目が眩しい光に射られて、痛かった。そして彼女は目が傷付くかなと怖がっている。
また、彼女は確実にアリス先生や生徒達からの視線を確かめた。
公開処刑。
そのアリス先生はマジ厳しく酷すぎる。
(可哀想だな。)
と、和祁は思った。彼はスイカを見ていない。
見るに忍びない。
「やっと元気を出してくれますか?よくもわたくしの演説の時に寝るなんて。しかもわたくしはちゃんと注意してました。文句はないですよね?ーーーー君は、確かに…Sランクのスイカ・ディスでしたっけ、こんなことして、まじ生徒失格です。」
(わざと名前を呼んだか、酷いな)
和祁は嘆いた。
スイカのからだはすごく震えた。
ディスという苗字と呼ばれたくないから。その苗字はスイカにとっては侮辱的なものである。
まぁ、アリス先生にはそんなことが知らないはず。
スイカの呼吸は激しくなっている。
アリス先生の叱り声が続けて響く。
…………
その後、アリス先生は生徒達に春休みの宿題などのことを伝えた。会議が終わった後、生徒達は自分のクラスに行って、担任とクラスメイトをを確かめるべきだ。
クラスの情報はスマホに送っておかれた。おめでたいことに和祁とスイカは同じクラス。
二人は初めて同じクラスにわけられた。
一方、スイカは集会で見世物になった後、学園に歩く時生徒達に云々されている。
そしてスイカは彼らに怖い目付きを返す。
「まぁ、いいこと考えて、せめて僕ら同じクラス。」
「はぁ?同じクラスでもどうした?さっき受けた屈辱と比べれば些細なことでしょ?」
「……」
(やはりスイカが怒る時は慰めない方がいいかな。)
と、和祁は苦笑を浮かべた。
「……」
スイカは黙って和祁を見つめている。
「どうした?」
「いや、なんでもないわ。」
和祁がたずねると、スイカは簡単に誤魔化して、足を早くした。
実はスイカは自分が言いすぎたことに気付いて、申し訳ないと思っていた。
(まぁ、カツケは気にしてないでしょ。)
(落ち着いたみたいだな、よかった。)
と、和祁は思った。
彼はスイカに付いて教室に入った。
一年C組
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