空港襲撃(6)

「うわぁ!!!!」


 スイカは首を銃身に打たれて、大きな悲鳴をあげながら、蛇目女の体から床に落ちていく。


 再び意識が戻る時彼女はもう蛇目女に二本の拳銃で狙われている。

 一方、小柄な女はもうユミリを気絶させた。


(完全に負けたか……)

 スイカは冷静な顔を保っているけど、内心は不安に満ちている。恐れは海の水のように多い。


「あたしの右手の銃は人を殺せる。左のは麻酔弾。」

 勝った蛇目女は余裕に話している。


 ためらってから、スイカは聞き返した。

「それで?」


「お前が罰を受けたら、左の銃を打つ。受けないと殺す。」


「うっ……」

 敵の顔を見つめるしか、スイカにはできない。


「どうする?」


「選択はなさそうですね。」

 スイカは強がって答えた。


「ほほ~」


「でも……えっ、エッチなのは……できません。」

 スイカの口調は急に弱気になった。流石に彼女もまだ10代の女の子。

 麻酔されたらもちろん相手の好きにされてしまう。だけど、スイカは自発的にやるのは決してできない。


「エッチ?エッチってなんのことかしら?」

 蛇目女は侮蔑するように質問した。


「……」

 スイカは歯を噛み締めて、羞恥をこらえる。


「はははぁ、無邪気な子にはやはりダメだな。」

 蛇目女は笑い出した。


「で、ですから、どうすればいいのですか?」

 スイカはたまらなくて大声で聞き出した。彼女はまるで裸を晒されているような感じをしている。


「受けるつもりだなぉ?」


「そうは言ってません。」


「まぁ、罰は簡単さぁ。今ここで、パンツも見せパンも、脱いでくれ。」


「うっ!!!」

 スイカは頬を赤くして床をみおろす。

(は、恥しい……しかもその後は麻酔されるし……何かをされるのはわからない……)



「年頃の女の子が恥らいながらパンツを脱ぐ、そのシーンは本当に楽しみだな。」

「隊長……」

 蛇目女は勝手に説明した。小柄な女も頬を赤くして、彼女を止めようとする。


「変態ですね……わかりました。負けです……罰……罰を、受けます。」

 スイカはそう言っている。

(いまこの二人は並んで立っている!一気に倒せる位置だね、でも……)


 でも、抗う術はない。


「いい子ね。早くはしたない姿を見せてくれるがいい。」


 蛇目女からの嘲笑を浴びて、スイカは手をスカートの中に探って、すこしためらってから、どっと見せパンを引っ張って下ろした。


 次は本物のパンツ。


 パンツを脱いだ瞬間、スイカは下腹部から感じたことのない寒さが走っていく。


「足首からはずしなさい、お嬢ちゃん~」

「隊長、やめよう……」


「……」

 スイカは怒りで震えていて、目を細めて相手を睨む。


 自分を向けている二つの銃口を睨む。


(最初の弾丸を交わせば、クールダウンのうちに反撃はできる。二人は揃ってるので、一気に倒せるかも。ユミリさんは捕まえられたけど、相手は彼女を傷付ける気はないはず。でもーーーー)


 スイカはさらに目を細める。


(抗うには余計なリスク負うし。いっそ諦めよう。)


(同じ女なんだし、そこまで恥しがる必要ない。落ち着け……彼女達もまだクエスト中だから、私に何かをする暇はないはず。せめて私はセーフ、従えば。)


 そして彼女は分析してから従うと決めた。


 彼女は大事なところを見せないように低く足を上げて、ゆっくりとパンツを足から外し、床に捨てる。


「そしてーーーー」


「そして?」

 スイカは不満に眉を顰める。

(まだ済んでないの?!言ったとは違う……)

 しかし、従うしかない。


「靴も脱いで。」

 蛇目女は命令を下す。



「靴履いたままなら、蹴ってくると困りますので。」

 小柄な女は真面目に補充する。



「……」

 スイカは大人しく靴を脱いだ。

 黒ニーハイだけに包まれる足が床に触れる、その冷たさは更にスイカの羞恥心を強くする


 自分を落ち着かせるように、スイカはくにくにと足指動いている。


「そして、靴下も。」


「えっ!?」


「どうしたの?生足見られるの恥ずかしいのかな?」


「うっ……」

 図星だったので、スイカは頬を赤くして顔を下げる。それから、彼女は羞恥心を抑えながら、大人しくニーソを脱ぎ始める。

 パンツを履いていないために、彼女は脱ぎながらスカートをしっかりと抑えなければならない。結構脱ぎ辛くなっている。


「よろしい。」

 敵は満足に笑う。


「いいでしょ?」

 スイカは1足の脱ぎたて黒ニーソを適当に床に捨てる。

 裸足でプラスチックのフローリングを踏んでいると、冷たさは足裏経由で全身に刺激を与える。緊張さに駆られて、彼女は足指を曲げては伸ばす。

(私の足指って、変じゃないよね?醜くないよね?笑われたりしない?)


「君の足指ってーーーー」


「!!」

 まさか本当にコメントされてしまうとは、スイカはぞくと震える。もし不評わ貰ったらまじ死ぬほど恥ずかしくなってしまう。


「長くて綺麗だね。」


「……」

 スイカは一旦ほっとした。でも、今自分はまるで風俗嬢みたいに体を評価されて、まったく尊厳がないような気がした。


「でも、爪はすこし切った方がいいと思うわ。汚れついてるし。」


「うむっ!」

 いきなり指摘されて、スイカはショックを受けた。


「そして、次はーーーー」


「まだですか?私をからかってるんですか?」


「いいえいいえ、本当に最後だよ。」


「……さっさと言ってご覧なさい。」


「自分のニーソを食べなさい。」


 その言葉に、スイカは呆れた。

「……どういう意味ですか?」


「つまり、口に入れろって言ってるんだよ。」


「……正気ですか?そんなことは……」

 スイカは横目で床に落ちたニーソを伺う。今日履いたのは新品ではない。自分はそれを履いてあちこち歩いて、いつも靴の中に入れていて蒸れてしまって、きっとすごく汚い。洗濯はちゃんとしているのだが、それでも汚れが結構積もっているだろう。

 普段触るだけでも嫌なのに、口に入れろと?


 スイカは呆れて佇む。からかわれる怒りで拳を強く握りしめる。


「簡単だろう?それとも、困りがあるのか?」


「……」

 スイカは屈辱で真っ赤になっているのだ。汚いだなんて正直に言えない。それは自分の足が汚いだと認めるも同然だ。そうしたら間違いなく酷く貶められてしまう。


「もしかして、靴下が汚すぎて、口に入れるの無理なの?」


(汚くなくとも無理だよ普通は!!)

 スイカは心の中でつっこむ。


「今頃の女の子はだらしないよね、」


(それは絶対無理!)

 そう言われると、スイカは思わず片足のニーソを拾い上げる。


「本当に、最後の、罰なんですね?」

 スイカは眉を顰め強がった口調で尋ねる。


「ええ、保証する。」

 蛇目女は興味深そうにスイカを見ながら言う。


 スイカは自分を落ち着かせようと目を瞑って深呼吸してから、覚悟してニーソを塊にして握って顔に近づける。


 実際、彼女の足は花のような芳しく清らかな香りがする。でも、ニーソ自体の素材と汗が混ざり合うってから靴の中で蒸れると、やはり少しは嫌な臭いがしている。


 スイカは試しに舌を伸ばしてニーソを舐めてみると、しょっぱくて苦い味がした。


 地獄に直面しようと彼女は覚悟して、口を開けるーーーー


「はははははあああ、本当にやるんだ、ははははぁ!やめていいよ。もう十分だ。」



(くずどもめ!からかって、絶対、許さない!!)

 スイカは心の中で罵倒する。しかし外見から見ると彼女は平然なまま。

「もういいですか?」


「うん、十分だ。十分堪能したわ。」

 言ってから、蛇目女は銃をスイカに向ける。


(これは最後か……)

 スイカは銃に打たれるのを待ち始める。

(終わりね。まぁ、私も十分頑張ったし、ユミリをすくえなかったのは私のせいじゃないわ。)


「隊長、返信ありました。この子じゃないって。」

 突然、小柄な女は口を開いた。


「えっ?どういうこと!?」

 蛇目女は目を大きく開いて、小柄な女と見つめ合う。


「ターゲットのフライトナンバーは次ですって。」

「なんだと!?」


 その二人は完全にスイカのことを忘れたようだった。


 完全にスイカのことを忘れている。


(こいつらなんのトラブルしてるみたいね。えっと……今?チャンス?反撃する?こっちへの警戒は緩んでるみたいだし……うっ……)


 スイカは少し躊躇ってから、無慈悲に怒りの満ちた飛び蹴りを敵達に与えていく。


「しねぇ!!!」


 二人の敵は振り返るしか出来なかった。そして気絶した。


 靴を脱いだけど、怪力を持つスイカの蹴りは強いままだ。


 ーーーーーーーーー



 この事件が終わった。スイカは警察達を呼んできて、犯人たちを捕まえた。

 ユミリにも麻酔弾の薬を飲ませておいた。


 警察署で逮捕録をする時、監獄にいる蛇目女はスイカに「すごくきれだったなぁ。」と言った。

 最初気絶した男は「なにが?」と聞いたら、蛇目女に「聞いちゃ行けないこともあるだよ。」と叱られた。


 一方、和祁もその言葉の意味をわからない。

(多分スイカの腕を褒めてるな。)


 スイカ本人がその言葉を聞いたら、すぐ真っ赤になってしまった。

 かつてない屈辱であった。


 幸いほかの誰にも見られなかった。ユミリも気絶していたし。










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