第50話 かぼちゃとおバケの大騒ぎ 22

 風が吹いて雲が流れる。月の光が弱くなった。

「じゃあ…」

 こく、と喉が鳴る。頬が熱い。声が震えそうだ。

「ルイも、する?」

 言ってしまった。断られたら落胆するくせに。暗がりに紛れ、真っ赤な顔も気付かれないといい。

「…宜しいのですか?」

 ルイが振り返った。夢だろうか?

「うん。」

 慌てて返事をして、ルイに近付く。一歩一歩がふわふわする。

 少しかがんでルイに顔を近付ける。

「…、で、では…」

 ルイはテオの肩に手をやるとゆっくり顔を近付けていく。

 ルイの手に力が入り、吐息が頬にかかる。吐息が途切れる。

 あともう少し。心臓が高鳴る。

「やっぱりここにいたぁ!」

 その声にルイは飛び上がるように一間ほど跳び退いた。

 テオはがくりと膝をつく。ああああ。

「ほらぁ早く行くよぉ。」

 構わずノアは二人を掴み転移する。

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