第29話 かぼちゃとおバケの大騒ぎ 1
「お化けかぼちゃ祭りだよぉ」
「?」
話しは皇太子来襲の少し前に遡る。
不意に現れたノアの言葉に寮長会議の面々の頭には疑問符が飛び交う。
「知らないぃ?」
「…知らない。」
フレイヤが答えるとノアは拍子抜けした顔をする。
「あれぇ?この世界じゃあないぃ?テオぉ?」
不思議そうにテオを見る。
「何で僕に聞くんだ。…でもまぁ、我が国でも周辺国でも聞いたことのない祭りだ。」
さすがに遠く離れた異国の祭りやあまり有名でない地方の祭りまではわからないが。
テオならこの辺りの祭りは知識として網羅しているだろうと思ってノアは聞いている。
「かぼちゃ飾ってぇ皆でぇお化けの仮装してぇ大騒ぎしてぇ」
一生懸命ノアは説明する。それを興味深そうにフレイヤは聞いている。
「お菓子もらえなきゃあ悪戯して良いんだよぉ」
あぁ、子供たちだけだけどねぇ。
「我子供ぉ?」
「違う。」
にへら、と笑うノアにフレイヤは素早く釘を刺す。
不満そうな顔に周囲はフレイヤに称賛の目を向けた。
「ねぇ仮装ぅ仮装しようぅ」
「何で?」
「だって仮装おもしろそぉじゃないぃ?」
「あとお菓子いっぱいぃ!」
完全に自分の希望のみだ。
会議の面々はしばらく考え込む。昨年度は諸事情で催事が少なめで終わってしまった。今年度、同じ面子で始まったばかりの寮長会議としては少しは挽回したい。
我が校は皆、催事が大好きだ。
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