第30話 かぼちゃとオバケの大騒ぎ 2

 相談の結果、模擬店やお化け屋敷の設置、仮面・仮装舞踏会、等の案が出た。

 日本における学園祭の様相だ。

 案を提案書にまとめると、テオは校長の許可を取りに行く。

 因みに歴代寮長会議の催事の提案書に校長の許可が下りなかったという歴史はない。

 校長の署名入りの提案書を片手に仕事の割り振りを決めていく。


 準備からお祭り騒ぎだ。

 模擬店の簡易な天幕や机、卓の設営は騎士寮の担当だ。お菓子や仮装用品、仮面等の準備は女王寮。飾り付けやお化け屋敷の準備は僧正寮の担当となったが、希望すればどの担当となっても良い。

 菓子作りが趣味な騎士寮や僧正寮の学生は菓子作りに、仮装用品担当にも多くの者が集まった。

 中には単に女王寮の姫であるルイとお近づきになりたいという不純なものもいたが、入ってしまえばそんな暇もなく否応なしに巻き込まれていった。

「私、お祭りの準備なんて初めてです!」

 心から嬉しそうに言うルイに、不純なものもそうでないものも一気に一丸となったことは言うまでもない。

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