第48話 かぼちゃとおバケの大騒ぎ 20
「…あの、ルイ」
「テオ様、あちらへ参りましょう。」
言いかけるテオを珍しく遮り、ルイは露台へと出ていく。テオはついていくしかない。
夜空を見上げるルイの今夜の髪が月光に輝いて天使の姿も相まって神々しい。まさかルイまで天に昇ったりしないよな?変な不安に駆られてルイに手を伸ばす。
ルイが気付いて躱そうとする。いつもは逃がすのに今夜は思わず無理に捕まえた。
「!」
ルイは驚き、テオのしまったという顔を見てしゅんと落ち込む。
ああ、思わず捕まえてしまった。いつもは逃がしていたのも、気付かれた。どうしてこう、こういうとこは聡いのかな。…いや、そういうとこも、大好きだ。
捕まえた腕を引き抱き寄せる。
「っテオ様!」
「見つけられたら良いって、エレノアが言ってた。」
逃れようとするのを強く抱き締める。『踊っても』という言葉はわざと省略する。
「!」
「ね、もうじき最後の曲だ。話は後にして、踊ってくれない?」
「…はい。」
耳元で囁かれ、頬を染めてルイは頷いた。
月明かりの下、二人きりでのダンス。
テオは幸せを噛み締める。
最初は遠慮がちだったルイも曲が終わる頃にはテオの主導に楽しそうに踊ってくれている。終わらなければ良いのに。思ううちに曲はあえなく終わり、ルイは作法通りにお辞儀する。仕方なくお辞儀を返す。
階下からどっと拍手が沸く。どうやら散会となったようだ。
ざわめきが外へと溢れていく。
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