第37話 かぼちゃとおバケの大騒ぎ 9

 ルイは周囲の視線を気にも止めず、忙しく働いていた。

 当選者が何故かルイの居る列にのみ並んでいるのだがそれにも気付いていない。一目だけでもとその周りを生徒達が取り囲んでいる。

 白い騎士服で男装したエレノアが警護についているがこちらはこちらで既に女生徒達に取り囲まれている。

 商品を渡す際に触れようとするような輩はイライザとアイラがさりげなく邪魔をして速やかに退去させている。いつの間にか息もぴったりだ。

 ちなみに無論テオも応募はしたのだが厳正で公平な抽選の結果、…外れた。

 これは決してエレノアの仕業ではない。

 結局運営陣は当選者販売をルイ達に任せ、その他物販を他の人間で行うこととなった。

 なお、販売担当の男子生徒の服装は執事風で、こちらは女性陣、とりわけ女性教師陣に評判が良かった。

 当選者殺到のため、『本日限定ルイちゃんの焼き菓子』は早々に売り切れとなったが、その後他の物販にもルイが回ったため客は減らず、模擬店『ルイちゃんのお店』は大盛況。予定時間を大幅に短縮して完売。運営も客も予想の範囲内だったので残念そうな溜め息は聞こえたが大きな障害も混乱もなく閉店を迎えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る