第21話 フレイヤとノア 番外編
ルイとテオの婚約が成り、先輩方が卒業し、年度が終わり、休みになった。
家に帰って、フレイヤが何となく魔法石の虹を眺めていた時。
「あらそれ『秘密のお友達』からですか?」
小間使いのハンナが、それを見て言った。
「?」
「あら、違うんですか?」
不思議そうにハンナは言う。
「秘密?」
小さい頃、少しの間、自分はお昼寝を抜け出して会いに行っていた友達が居たらしい。
その頃からずっと世話をしてくれていたハンナだけが知っていた。
一度居なくなる騒ぎがあってからは行かなくなった。らしい。
「あの後その方のお話はなさらなくなりましたね。」
そういえば、とハンナは言う。
「凄く綺麗で凄いんだと、嬉しそうに仰っておられたもんですよ?」
ああ、…きっとノアだ。
ノアと、会ってたんだ。
ノアは、だから入学前から自分を知ってた。
何で憶えて無いんだろう。
もしかしてノアが?
新学期が始まり、学年が一つ上がり、新入生が入学してきた。
相変わらずの副寮長。
寮長のエレノアを補佐して入学の式典を終える。
どの寮も寮長、副寮長は変わらぬままだった。
「私、忘れてる?」
式典の後、しばらくしてから、単刀直入にノアに尋ねた。
「…えぇ?わす、忘れ、れわわわ」
「わす、わす、わす、わぁぁ」
そのまま姿を消した。
明らかに何かを知ってる。
「ノア、出てきなさい。」
フレイヤはノアを呼び出す。
「うぅぅ、うぅぅぅ、フレイヤぁ」
こういう時も律儀に言うことを聞くんだ。
現れたノアにちょっと驚く。
「聞か、聞かないでぇ、お願いぃ」
半べそをかいている。
これじゃ苛めているみたいだ。
「ノアがしたの?」
せめてこれだけ聞く。
「!違うぅ!」
忘れて欲しくなんか無かった。
「違うぅ、違うぅ」
その場にしゃがみこんで頭を抱え首を振る。
「分かった。じゃあ良い。」
頭をぽんぽんと撫でる。
「…?」
ノアは恐る恐るフレイヤを見上げた。
「思い出せる?」
魔法で。
「!嫌!嫌だ!」
ノアはがばっと立ち上がり、珍しく激しく拒否する。
首を振ったまま後退る。
「ノア」
「
だって折角下僕にまで成れたのに、思い出したら、思い出したら。
「嫌われるぅ!」
怖がって逃げられる。
そんなの、今更耐えられない。
「ノア」
また消えようとするノアの腕を掴む。
一瞬薄くなったノアが元に戻る。
「フレイヤぁ、駄目ぇ」
べそべそとノアが言う。
「嫌わない、と思う。」
記憶が戻らないと何とも言えないので、断言は出来ないが。
多分、嫌わない。
「だから、」
ノアをじっと見る。
「思い出したい。」
ノアはこの世の終わりのような顔をして、がっくりと頷いた。
「ここぉ、座ってぇ」
ノアの実験室に連れて行かれた。
背もたれのあるふかふかの椅子を出して座らされる。
座るとノアは
「本当ぉ、本当にぃ」
フレイヤの手を握ると額に押し当てる。
「嫌わないで」
その言葉が終わるか終わらない内にフレイヤの中に記憶が甦る。
記憶の欠片が繋がり過去と現在が繋がる。
やっぱりノアだ。
ノアは手を握ったまま、顔を上げられない。
見上げたフレイヤの瞳にまた恐怖が浮かんでいたら。
怖い。
化け物を見る眼。
他の誰にその眼で見られてもずっと平気だったのに。
フレイヤだけは、駄目だ。
フレイヤが手を離そうとするので咄嗟に強く握った。
やっぱり、怖いんだ。
嫌われる!
離さなきゃもっと嫌われるかも、でも離したらもう。
ぐるぐると逡巡する。
もう一度フレイヤはぐいぐい手を引っ張る。
ノアは必死で離さない。
ふわ、とフレイヤの香りに包まれた。
「ごめん、ノア。」
フレイヤが反対の腕でノアを抱き寄せていた。
謝られた、やっぱり、やっぱり嫌いになったんだ。
ノアの目に涙が一杯になる。
「逃げてごめん。」
「?」
きっといっぱい傷付けた。
自分が魔法を使いたいと言ったのに、怖がって逃げたりして。
なんて自分勝手だったのだろう。
ノアはあんなに頑張って自分の願いを叶えようとしてくれたのに。
「もう、怖くない。」
ぎゅ、と抱き締める。
「ホントに?フレイヤ」
「うん。」
「我、怖くない?」
「うん。」
「良かっ…」
ノアの目から涙が溢れる。
「うえ、うぇぇぇ」
そのまま声を上げて泣き出した。
「我、我ぇ…」
フレイヤにしがみつく。
「も、逃げちゃやだぁ…」
「もう逃げない。約束。」
ノアの頭を撫でる。
「約束?」
ノアは濡れた目でフレイヤを見上げた。
「うん。約束。」
フレイヤはノアの涙を拭ってやる。
「っ…」
ノアの涙はますます止まらない。
「約束ぅ、フレイヤぁ」
びいびい泣くノアをフレイヤはよしよしして涙を拭いてやる。
「で、何故結婚はしないという話になるのだ?」
エレノアが複雑な顔で聞く。
「ノアが嫌だって」
フレイヤもやや不満そうな顔をする。
そんなのこっちが聞きたい。
「お互いに、その、想いあっているのだろう?」
ほんのり頬を染めてエレノアは聞く。
フレイヤはどの程度か分からないが、ノアに至っては全校生徒が知ってる位フレイヤへの好意が駄々漏れている。
なのに何故結婚を是としない。
「それ、エレノアには言われたくない。」
ディランといい感じなのに、頑なに進展させようとしないくせに。
「何の話だ。」
エレノアはややむっとした顔をする。
「ディランの話。」
はっきりと言ってやる。
「っそれは今関係無かろう。」
エレノアはふいとそっぽを向く。
照れ隠しだ。頬が赤い。唇を手で隠した。
「どうするの?」
「だから今は君の話だろう!」
「だって。」
ノアが嫌だと言うのだ。
無理強いする事ではないだろう。
「殿下ともう口付け位したの?」
いきなりのアイラの質問にルイではなくフレイヤがむせた。
「?…はい。」
不思議そうに頷くルイにフレイヤもアイラも唖然とする。ちなみにエレノアは居ない。ルイとテオとの話題は居ないときに限る。機嫌が悪くなるから。
「ちょっといつの間に?!」
「…あの、お茶会の時に」
アイラに勢い込んで聞かれてルイは目を丸くしながら答える。
「嘘、殿下ってば意外と早いじゃない!」
アイラは感心する。このルイ相手によくそこまで短時間で。
「…それ、多分違う。」
黙って聞いていたフレイヤが口を開く。
「え?違うってなによ?」
「ルイ、手の甲は挨拶。」
アイラに目をやるとルイを見て言う。
「何だぁ、そうゆうこと。」
「???」
アイラは納得しルイは首を傾げる。
「だからね、ルイ。」
「はい。」
寮長用会議室で並んで腰掛け、テオは言う。
最近はここで会うことにしている。
新入生が入ってきて、女王寮の姫は更に人気が上がった。
校内ではルイとテオの婚約は最早知らないものはいないので、さすがに寄ってくる男は居なくなったが、代わりに女生徒達に前以上に囲まれている。
ルイの評価が高いのは良いことだけど。
前に名を呼んだだけで人垣が割れて静まりかえったことがあり、それ以来、人前で話すのは諦めた。
ルイは何も言わなかったけど、とても恥ずかしそうだった。
全部聞かれているのも居心地が悪いし。
だからこうして、時間を設けて、会ってもらっている。
「君からなら、良いんじゃないかな。」
ルイの眼を覗き込む。若干の飢えと渇きは出さないようにする。
「?」
じっと見られてルイはやや焦って微笑み首を傾げる。
「だから、エレノアは禁止って言うけど、ルイが僕に触れてくれるのは良いんじゃないかな。」
「え…」
それだけでルイは赤くなる。
エレノアの接触禁止令。
それはテオだけに出されたものだと、テオは言うのだ。
だからルイがテオに触れる分には抵触しないと。
「そ…うでしょうか?」
すい、と身を寄せられルイは身を引く。
「ルイ?」
躱されてちょっと咎めるような口調になってしまった。
「?…!申し訳ありませんっ」
咄嗟に躱してしまったルイはそれに気付くと頭を下げる。
「いや、済まない。責めるのは違うよな。」
ごめん、テオは詫びる。
「僕が、ルイに触れたいんだ。」
でもルイはエレノアを気にするから。
「我が儘を言ったね。」
ごめん、ともう一度テオは言う。
折角二人きりなのに、ルイを困らせたい訳じゃない。
「あの、…」
「ん?」
「あの、どこに触れれば…」
恥ずかしそうにしながらも、一生懸命ルイはテオを見上げる。
「……」
テオは固まる。
可愛い過ぎる。
「?…テオ様?」
「あ、うん、そうだな。」
本当は、そろそろ口付け位。
でもルイからというのは難易度が高いだろう。
「ルイの、触りたいところで良いよ。」
「え…」
これも高望みだったかな、と固まるルイを見て思う。
もしかして、触れたいとまではまだ思ってくれてないのだろうか。まあそれは仕方ない。相手はあのルイだ。
「わ、かりました。」
ルイはぐるぐる何かを考えだんだん頬を染めていく。
口付けてくれたりしないかな、とルイの唇を見詰める。
「っ」
ルイは恥ずかしさで目を瞑り、両手でテオの手を握るが、勢い余ってテオの前に倒れそうになる。
咄嗟に反対の手で抱き止め、意図的に抱き締める。
「!すみませんっ」
慌てて離れようとする。
「いいよ、嬉しい。」
逃がさずぎゅう、と抱き締める。
「あの、あの、お離しくださいっ」
あわあわとルイは逃げようとする。エレノアの禁止令を思い出している。
「え?君から抱きついてくれたのに?」
喜んで髪に口付ける。
「!」
「こう、されたかったんだよね?」
ああ、意地が悪い、自分でそう思いながら、しかしルイを離せない。
「………はい。」
だからルイがそう言うとは思わなかった。
「ルイ…」
嬉しすぎる。
ルイの頬に手を触れ、上を向かせる。
色付いた頬。
視線があちこち逃げ惑う。
ぱっと目が合うと、ルイは目蓋を閉じた。
これは!…口付けても?
『わからないなら目を閉じて、待ってたら殿下が教えてくださるわよ♪』
そう入れ知恵されていることをテオは知らない。
「ルイ…」
名前を呼ぶとぴく、と肩が震える。
でもルイは目を瞑ったまま、逃げようとはしない。
顔を近付ける。
唇が近付く。
重ね
「ルイ!王子!協力して!」
ばたーん、と扉が開いてフレイヤが入って来た。
ルイは開く直前に咄嗟に飛び退いて、…未遂に終わった。
「はい!勿論です!」
内容も聞かずに、ルイは慌ててそう答えている。
途中で何のことかようやく思い当たり真っ赤な顔で慌てているルイと恨みがましい笑顔の王子を見比べる。
「エレノアに言うよ。」
じとっと王子を見る。
「!」
険のある笑顔でフレイヤを見る王子に対し、ルイはその言葉にしゅんとなる。
「…分かった、協力しよう。」
そんなルイを見て、テオは折れた。
「で、何だい?」
圧のある笑顔のまま、王子は聞く。
「王子、付き合う振りして。」
「付き合う?」
「?」
王子もルイも不思議そうに目を見交わす。
「私と。」
「何でさ。」
訳が分からない。
そもそもどうしてそんな話になるのか。
「ノアに、妬かせるの。」
フレイヤは薄く頬を染めて言う。
「ノアに?」
妬いたりするかな?
テオは思う。
ノアは変わっているから。
「分かりました!協力します!」
ルイは目をきらきらさせて請け合った。フレイヤの手をぎゅっと握る。
「ね!テオ様!」
きらきらの瞳で振り返る。
「あ、ああ、うん、勿論。」
ルイのその眼には勝てない。
珍しい、何だかとても乗り気だ。
色々とまぁ打ち合わせをして、フレイヤは戻って行った。
「…ところで、」
フレイヤを見送ったルイを見上げる。
「はい…?」
「何でフレイヤに協力しようと思ったの?」
こういう時に積極的なルイは珍しい。
「それは、フレイヤ御姉様が可愛」
言いかけてはっと黙る。
「かわ?」
「っいえっ困ってらっしゃったので!」
慌てて言い直す。
可愛い、と思ったから、か。
どう考えてもルイの方が可愛いけど。
つい、じっとルイを見てしまう。
もう少しで触れられそうだった唇。
「あの、私も、そろそろお
テオの視線に、はたと我に返るとルイは慌てたように言う。
「まだ良いだろう?」
さっきの続きを是非したいテオは引き留める。
「いえ、あの、今日は、あの、」
ルイはしどろもどろだ。
「…分かった。じゃあまたね。」
真っ赤になって困っているルイを、仕方なく解放する。
「はい!ではご機嫌ようです!テオ様!」
ほっとしたように元気に挨拶してルイは部屋を出ていってしまう。
婚約しているのだから、焦ることはない、と自分に言い聞かせる。
二人きりで会って話せるようになっただけでも大進歩だ。
早く色々したいのはやまやまだが。
ああ、折角の好機だったのに。
庭園の腰掛けで待ち合わせる。
「よろしく。」
「ああ。」
もうすぐ、ルイがノアを連れてくる筈だから、と、とりあえず二人並んで腰掛ける。
待つ間に事情を話す。
ノアが、珍しくフレイヤが言ってもどうしても婚約を是としないこと。自分は下僕だから、の一点張り。
それにちょっと急ぐ事情がある。
「また御父上が?」
「うん。」
卒業までにフレイヤの相手を見つけようと頑張っているらしい。
「前にも断られてるから。」
王子を見やる。
「…、だから悪かったと。」
ばつの悪そうな顔をする。
「うん、だから協力してって。」
「分かってる。」
「こちらですよ。」
ルイの声がしてついそちらを見てしまう。
固まる。
面倒臭そうなノアの手をルイが引いている。
手を、繋いで。
「王子。」
ちゃんとして、とフレイヤに言われて我に返る。
「分かってる。」
フレイヤの頭を撫でる。
少しは親しげに見えるだろうか?
「何と言うか…」
言いながら髪を掴み、頬にも触れてみる。
「うん。」
フレイヤと目が合う。
お互い同じ事を考えてるのが分かる。
「全然どきどきしないな。」
「うん。」
二人して顔を見合せ、吹き出す。
「失礼。」
「そっちこそ。」
笑いながら言い合う。
「無理があるんじゃないか?」
計画に。
二人は完全に友達なのだ。昔から。
フレイヤの髪をテオが撫でているのをノアと見た。
固まってしまう。
「ほ、ほら、テオ様が…」
ぎくしゃくと二人を示す。
「うん。仲良しぃ。」
ノアはふわふわと微笑う。
二人が笑い合っている。
「もやもやとか、しませんか?」
ノアに言い募る。
何とか妬いて欲しい。
フレイヤの為にも。
そう思いながらも、自分一人、もやもやしている。
「ん~?」
ノアは首を傾げる。
「お二人が仲良くなさってらして…」
「ん~…」
ノアは考える。
「元婚約者だもんねぇ。」
「え…?」
余計なことを。
テオは後ろの会話が気が気じゃない。
その話はまだルイにしていないのに。
「言ってないの?」
フレイヤが声を潜めて聞く。
「いや、だって。」
何と切り出す?
聞かれもしないことをわざわざ。
妬いて怒ってくれるなら話しもするが。
ルイの事だ、話せば何も言わず、すうっと離れていってしまいそうだ。
それだけは勘弁して欲しい。
「そうね。」
自分も言ってない。
フレイヤもむう、と唇を曲げる。
こんな形で伝わるなら言っておくのだった。
二人して苦い顔になる。
時機が最悪だ。
仲睦まじく、と言うよりは何だかこそこそ額を寄せ合って話し合っている。すごく、距離が近い。
ほんのり、面白くない。かも?
ルイに言われたので考えてみる。
でもそう言うルイこそ、とても衝撃を受けて、落ち込んでいるように見える。
どうしたんだろう?
「だいたい僕は、ちょっとルイに妬いて欲しかっただけなのに。」
何でこんなことに。
妬くどころではない。
傷付けてしまったかも。
「ごめん。」
落ち込む王子の頭をノアと同じ感覚でぽんぽんと撫でる。ぴり、と何かを感じる。
フレイヤが、テオを撫でた。
自分にするように。
フレイヤがあんな風に撫でてくれるのは、自分だけだと思ってたのに。
何だろう、凄く。
「もやもや、するぅ。」
「え?」
ぱりぱりと空気に何かが満ちてゆく。
ノアの手に集まって、そう思ったとたん身体が動く。
「ノア様駄目っ!」
ルイは咄嗟に身体でノアを押さえ込む。
ノアがテオを狙っていた。
「!…ルイはぁ?良いの?」
驚いて魔法を消し、不思議そうにノアは聞く。
ルイの方がもっともやもやしてるように見える。
怒れば良いのに。
「…私は、御二方さえ、よろしければ…」
そもそも、自分が頼んだ事だ。
ノアを押さえたまま、いつものように微笑おうとして、出来ない。
顔が、強張る。
ぶちん。
何かの切れる音がした。
「…やってられない。」
小さくテオは呟く。
「もう、良いだろう?」
笑みを浮かべて言うとフレイヤは黙って頷く。
立ち上がり、振り返るとルイはまだノアを押さえ込んでいる。
抱き付いているように見える。
二人に近付くとノアをルイから引き離す。
「テオ様っ」
驚いてルイはテオを見上げる。
「だから、どうして君は」
そうやって諦めないで欲しい。
自分を。
「なでなでは我の!」
どんっとノアに押され、テオはよろめく。
「は?」
「なでなでは我だけなの!」
ぐいぐいとテオを押す。
「ノアっ」
「!…じゃあフレイヤと結婚しろよ。」
思い付いて悪い笑顔でそう言う。ぐい、とノアの襟元を掴んで引き寄せる。
「言っておくが、僕が彼女を娶ったなら
「!」
つまり撫でさせないぞ、と脅した。
テオはそう耳元で言うとノアを止めに来たフレイヤを見る。
ちゃんと当初の目的は憶えている。
自分的にはそれどころじゃない気分だが、ルイから頼まれたことなのだ。せめてちゃんと完遂しなければ。
「!」
フレイヤはノアを見る。
目が合うとノアはフレイヤに抱き付いた。
「…する。結婚する。」
「本当?ノア。」
ちょっと不服そうに見えるノアに確認する。
「からぁっ他っなでなで駄目ぇっ」
ノアはフレイヤにぎゅうっとしがみついて泣きそうな声を上げる。
「…うん。分かった。」
頭をぽんぽんすると、ノアは少しほっとしたようにフレイヤの肩に顔を
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