第48話 ミノさん
『ぶもおおおっ!』
ぶうん ざしゅっ
『あーすばれっとぉ!』
びゅんっ どがっ
メカ娘が石弾をぶん投げる。
オーガの首が落ち、もう一体のオーガの頭蓋が弾けた。
「またオーガが来るにゃ!」
『ぶもおおおっ!』
ぶうん
『あーすばれっとぉ!』
びゅんっ
『ぶもおおおっ!』
ぶうん
『あーすばれっとぉ!』
びゅんっ
『ぶもおおおっ!』
ぶうん
『ぶもおおおっ!』
びゅんっ
「
ミノさんに釣られてるメカ娘にガブリエラが吹き出した。
『ぶもっ(何っ)?』
メカ娘の方はキョトンとしている。
『ぶもおっ(どーかしたの)?』
いや、
ミノタウロス語?に自動で切り替わっているみたいだ…
『ぶもおおお(ねー、ミノさんその斧あたしに頂戴)』←メカちゃん
『ぶもおおおっ(コレ、ワシの武器だし)!』←ミノさん
『ぶもっぶも(そんなケチケチしないで~)』←メカちゃん
『ぶもおおおっ(絶対やらない)』←ミノさん
「なんか話してる…」
「ちゃんと通じてるみたいにゃ」
ミノさんの戦斧に手を伸ばすメカ娘とメカ娘の手が届かないように戦斧を頭上に掲げているミノさんがなにやらぶもぶも言っているのを見て、ガブリエラとタマが目を点にしている…
「あの二人はずいぶんと仲良くなったみたいねー、しゃちょ~」
ヒルデガルドはそう言いながら私の腕に抱きついてくる。
そんなに腕にしがみついても
~・~・~
「にゃっ、トニー、ボス部屋みたいにゃ!」
パーティーの先頭で斥候をしていたタマが洞窟状の通路に唐突に現れた頑丈そうな扉を見つけた。
五階層目にはこれまでの階層と違って最奥部にボス部屋があった、おそらくこのダンジョンの中ボスクラスの魔物が中に居るのだろう。
「トニー、どうするにゃ、開けるにゃ?」
扉の側に待機したタマが聞いてくる。
そしてヒルデガルドとガブリエラはじりじりとメカ娘の背後へと移動する。
『いや、ミノさんが先頭でいいんじゃないか?』
扉を開けると同時にメカ娘をボス部屋に放り込みそうな二人に私は言った。
「そうね、ミノさん先頭で次にメカちゃん、ガフリエラはタマの護衛で、わたしの事はしゃちょ~が護ってね」
私の側に居たいだけのヒルデガルドが同意して“死霊使いの杖”を振った。
「じゃあ、開けるにゃ!」
タマとガブリエラが扉を開ける。
『ぶもおおおっ!』
ミノさんが巨大な戦斧を構えてボス部屋に踏み込み、他のメンバーも後に続く。
カッ
ボス部屋の奥から眩い光が走った!
『ぶもおおおーっ!』
ごおおおおー
パーティーの先頭にいたミノさんが炎に包まれる。
『ミノさーん!』
メカ娘が悲鳴をあげた。
「なっ、魔法耐性の高いミノタウロスが!」
全身を激しい炎に包まれたミノさんを見てガブリエラが警戒する。
ふよふよふよ
ボス部屋の奥には黒っぽい球体がふよふよ浮いていた。
『す、
黒っぽい球体はその中央に巨大な一つ目を持ち、球体の上部に生えた何本もの触手の先端にも単眼を持つ
その目から放たれた怪光線がミノさんを焼いたのだ。
『ミノさんの
炭化して崩おれたミノさんの手から戦斧を取ったメカ娘が突撃した!
カッ
ビホルダーの単眼から怪光線が発射される!
『びーむ!』
メカ娘も目からレーザー光線を発射した!
どーん
怪光線とレーザー光線がぶつかり合い相殺された。
『ぎゃああああっ、目が、目がぁ~!』
またメカ娘が両手で目を押さえてボス部屋の床をゴロゴロ転がっている…
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