概要
どうしても、あなたに惹かれてしまう
海と山に挟まれた町「八浦」の物語。
高校二年生の浅海 澪は両親から一方的に課せられた将来への期待にうんざりする日々を送っていた。
夏休み前の定期試験を控えたある日、学校帰りの買い物を終えた澪は砂浜に立つ少女を見つける。彼女は、自分の名前は朱里だと笑う。
互いに抱える物がある二人の間に生まれる奇妙な縁。だが、澪と朱里の親同士は地域でも有名な程に仲が悪かった。両親への不満を抱いていた澪は、家の事情を知りながらも、行動の読めない朱里へ関心を深めていく。
高校二年生の浅海 澪は両親から一方的に課せられた将来への期待にうんざりする日々を送っていた。
夏休み前の定期試験を控えたある日、学校帰りの買い物を終えた澪は砂浜に立つ少女を見つける。彼女は、自分の名前は朱里だと笑う。
互いに抱える物がある二人の間に生まれる奇妙な縁。だが、澪と朱里の親同士は地域でも有名な程に仲が悪かった。両親への不満を抱いていた澪は、家の事情を知りながらも、行動の読めない朱里へ関心を深めていく。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ありふれた美しさの町で、思春期にたゆたう小さなロミオとジュリエット
シェイクスピアの舞台ほど劇的でなくても、学生たちの上にぼんやりと覆いかぶさるように存在する地元の空気や家同士の関係。学校生活、授業、日々のタスク。そして定期試験。そういったもやもやを少しずつ押し上げるように育つ感情、熱情を、筆者の豊富な比喩表現や言葉のセンスをちりばめつつ描いている素晴らしい百合作品です。
海に自宅、学校、喫茶店、体育館といったように場所が変わっていて、町の風景がどんどん広がっていく感覚も小説として楽しかったです。
堅実で読みやすい中、ロケーションの町や風景を容易に想像させる数々のオブジェクトをはさむことでセンスの良さを文章にかよわせていて、読みごたえと奥行きのある作品です…続きを読む