概要
魂の存在となった龍之進は、龍玄として空界で生きる道を邁進する。
将軍や重職の者にお薦めの本を紹介する幕府の書庫番の家に生まれた安平龍之進は、早くに両親を亡くし天涯孤独に。両親の人徳のお蔭で若くして家督を継ぎ、父の仕事を受け継ぐ。人付き合いの苦手な龍之進は、書庫の本を読み漁った。退屈な日々は、ひょんなことから生まれた好奇心によって波乱の人生へと押しやられる。女人との関りなど無関係な龍之進の初恋は、女郎屋の下女だった。純真な男と女が数奇な出会いによって周りの思惑に翻弄されていく。魂の世界のひとつ、空界。その世界の住人棲息する高僧・大権厳法師は、今ある規律に疑問を感じていた。そんな時、別件で訪れた比叡山で若い侍の亡骸と出会う。その生い立ちを探るに当たり興味を引いたその若者を弟子として迎い入れ、正規の手続きを踏まず育てることを決意。彼らの一ヶ月は人間界の一年。通
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