第14話 パラダイス
「おう、
「散策って、自由行動は今日は無いのだろう。他の委員や先生に見つかったら怒られるぞ」俺は委員らしく注意した。
「せっかく海に来たんだからさぁ。水着のギャル見たいじゃん。で、ついでに出来れば仲良くなってさぁ」どうやら彼が参加した目的は
「慌てなくても、明日海水浴の時間があるから、その時に見ればいいだろう」俺は断じて女子の水着を目的に来た訳ではない。
「お前は頭かたいなぁ、いいだろう。見に行こうよ~」何故か甘えるような口調でおねだりしてくる。
「・・・・・・仕方ねえな。ちょっとだけだぞ」言いながら、少しテンションが上がる俺がいた。
次のミーティングの時間まで二時間弱、俺達は駆け足で近くの海水浴場に向かった。
「おお!これは!」海には褐色の肌を露出した乙女達が
「なっ、来て良かったろ!なっ!」
「ううう、まあ……、そだな……」俺は冷静な振りをしながらも視線は浜辺に釘付けになっていた。
海で開放的になった女子達は、ある者は
「あら、自由行動は明日からじゃなくて?」背後から聞きなれた声がする。恐る恐る、ギリギリとゼンマイのおもちゃのように振り返るとそこには
「あっ、いや、これは……あの」言い訳を考えたが思い浮かばなかった。
「あれだけ、臨海学校に参加するのを嫌がっていたのに、今はご満喫のようですね」言いながら
「あっ、ゴミだ!」俺は近くに落ちていた空き缶を拾った。まるでボランティア活動でもするように……。
「誤魔化すな!」彼女のフライングキックが背中に炸裂し、俺はビーチを二・三回ほど転がった。
「なっ、何しやがるんだ!」全身を
「バスの中で言ったでしょ!女子の委員は海水浴場の確認、男子は宿泊施設の確認をするって!どうしてあんたは海水浴場で女の子を必死に見てるのよ!?」
「えっ、そうだっけ?」バスの中ではほとんど寝ていたので聞いていなかった。
「早くホテルに戻りなさい!」まるで先生のように指導される。
「了解!」俺達は敬礼をしてから、もう一度宿泊代施設へと走った。
「全く、何しに来たのやら」
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