第4話 幼馴染み
「
「おばさーん」友伽里は満面の笑顔で母親に飛びつくように抱きついた。
「今日も
その様子は、まるで久しぶりに対面した親子のようであった。
「私もおばさんの子供だったら嬉しかったのに~」お世辞なのか本音なのかは解らないが、
「別に俺は代わってやってもいいぞ」俺は、ちょっと嫌味っぽく言ってやったつもりであったが、あまり彼女達には
「もう
「えー、いいんですか?私みたいなのが
「ないない!そんなのあるわけなーい♪」俺は頭の後ろに腕を組み、自作の歌を口ずさみながら否定した。
「もう!」
「痛い!」思いのほか強烈な張り手であった。叩かれた箇所を擦ろうとするが届かない。運動不足のせいか柔軟性が無くなってきた。
「本当に、あなた達は兄妹みたいね。
「いえいえ、そんな
「これからも
「はい」
「おいおいおいおい!何を勝手に話を進めているんだよ。母さん、そんなことを言って、死亡フラグが立っているぞ!」アニメや漫画ならこのあと交通事故とかで絶対に死んでしまうパターンだ。
「なによ!縁起でも無いことを言わないでよ。でも、冗談抜きで
「なにアホな事を言っているんだ、
「……」音のする方向に目を向けると、友伽里が下を向いて涙を流していた。
「おっ、おい、どうした?」女の涙は卑怯である。何故彼女が泣き出したのかは皆目見当ない。
「な、何でもないわよ!ホコリが目に入っただけよ。ほっといて!」そう言うと、目を押さえながら彼女は自分の家に逃げるように走っていった。
その一部始終を見ていた母が俺の頭を後ろからペチリと叩いた。
「痛い!なんだよ!」叩かれた頭を摩る、変なことに。
「本当に女心の解らない男だね。母さんあんたみたいな気の利かない男を生んだと思うと悲しくなって涙が出てくるわ」大きなため息をつくと、呆れ顔をしながら母は家の中に入っていった。
「なんなんだよ、俺が悪いのか?」俺は
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