第59話 お前っていうな!
それはマスコミを巻き込んでの会見となった。十八年前の乳児取り違え事件。
発覚したのは成長した乳児の血液型が両親の血液型からは生まれる筈の無い血液型である事で判明した。細かい情報は
担当をした当時の看護師の女性は取り違えの事実を知っていたようであるがずっとそれを
「まさか、俺と
俺は自分に兄妹がいることなど母親から聞かされた事などなかったのでそのような考えに至った事など一度もなかった。
ただ、一つ言える事はどうしても
俺はお陰さまで事故のケガも改善して病院を退院し学校にも復学している。
今日は
「でも、私には彼女の辛い気持ちが痛いほど解るわ。彼女が事実を知った時の絶望感が・・・・・・。もしかすると私以上に
「そうなのかもしれないな。それに俺があの事故にあった時、
彼女が自分が俺の双子の妹であることをを知ったのは俺に大量の血液を輸血したその後であったそうだ。俺は昏睡状態だった為、後で知らされたのだが、彼女はかなりの動揺して人目も
「そうか・・・・・・、
「ちょ、ちょっと何を言っているのよ!も、もう、知らない!」その瞬間、彼女の顔が真っ赤に紅潮した。
渡辺家と
彼女の母親は「察してやって・・・・・・」と一言俺に呟いた。
それぞれの事情があり親も子も戸惑っていた。
ただ、
「それで芸能活動はどうするつもりなんだ?」俺は
「ひとまず学業専念で休業、そのままフェードアウトみたいな感じかな」ベンチの上で足をブラブラさせながら体を前後に揺らせている。なんともまあもったいない話だ。
「ファンが悲しまないか?」
「そんな事よりちゃんと勉強してよ。貴方の学力に合わせて私も受験はするけれども、それなりの努力はしてよね」言いながら俺の頬に軽いキスをしてくれた。
「お前って意外に
「意外ってなによ!それに……、またお前って言うな!」これからもこんな日常が続けばいいなと俺は思った。
おしまい
ほのかなひかり。 上条 樹 @kamijyoitsuki
ギフトを贈って最初のサポーターになりませんか?
ギフトを贈ると限定コンテンツを閲覧できます。作家の創作活動を支援しましょう。
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます