第43話 どうして出会ってしまったの?
なんだか教室で騒ぐ同級生の中にいることが辛くなり
学校の屋上の鍵が解放されている事をしっている生徒は少ない。この場所は一部の生徒の間では穴場のようになっている。
他の生徒に出来るだけ気づかれないようにして階段を上がりドアを開ける。ドアを開いた瞬間に突風のような風が吹き込んで来て光は目を細める。
「きゃあ」突然の女の子の悲鳴が聞こえるので声の方向へ視線を向ける。そこには風に
「ラッキー」少しわざとらしくおどけた様子で
「面白くないわよ……バカ」
「バカっていうな……」
(これは
「俺さ、昨日の件で気がついたんだ……、俺は
「それは私も同じ……、私も貴方の事が好きよ……、でも……」
「それなら、いっそ二人で……、誰も知らない所へ……逃げよう!」
(いや!いや!いや!聞きたくない!私はこんな話を聞きたくない!)
「その場の感情でそんな事を言わないで……、そんな事出来る訳ないじゃない……。貴方の……、お母さんも悲しむわ」
「なら、どうすればいいんだ!俺のこの気持ちは!?」
「私だって、貴方と一緒に……、でもそれは無理なのよ……」
「畜生!!」
それを解っていてあんな事を口にした
(どうして私達は出会ってしまったのだろう……)彼女は運命というものを少し呪った。
階段の上で少し考えを巡らせていると、突然誰かに背中を押される。
「えっ?」そのまま
「キャー!」女子生徒達の悲鳴が響き渡る。
「おい!大丈夫か!せ、先生を呼べ!早く!」近くにいた男子生徒数人が駆け寄り
その頭から大量の血液が流れ出ており、彼女の意識はなかった。
男子生徒が、彼女が転がり落ちてきた階段の上を見上げると、そこには魂の抜けたような顔をした
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