第8話 転校生
予鈴が響き渡る。五分後にクラスの朝会が始まる合図だ。
しばらくすると、教室のドアが開き担任の教師が教室の中に入ってきた。
「起立!気をつけ!礼!着席!」学級委員が号令をかける。それに合わせて生徒達は動作をする。
「今日は、皆さんに新しい仲間を紹介します。『
「おおお!」教室の男子たちの歓声のような声が上がる。
転校生は、少しだけ茶色かかった長い髪に透けるような白い肌、瞳は大きく、程よく膨らんだ唇。スタイルも良さそうである。街中ですれ違えば大半の男性は彼女を見て振り返るであろう。
その時、
あの時あった綺麗な若い母親、なぜだか彼女の事が頭から離れない。とても綺麗なお花畑で彼女とダンスをしている。周りには妖精の姿をしたひなちゃんが飛び回っている。ああ、夢なら覚めないで……。
「ちょ、ちょっと、
「んーが、な、なんだよ、人が気持ちよく寝てるのに......」眠い目を擦りながら
「福岡から引越ししてきました、
「あれ……えっ……?」その転校生の顔を見て、俺は一人驚愕していた。
「えーと、渡辺さんは.......、窓から2列目の一番後ろの席に座ってね」担任は、教室の後方の席を指さしながら指示した。その席は、
転校生こと
「えっ?」今度は、
「あ、あの......、あなたは高校生だったんですか?」
「あなたこそ、高校生だったの?」
「そこの二人!転校早々仲良くなるのは良いけれど、デートの約束は放課後にしてね」担任のその言葉に、クラスの中は爆笑と口笛を鳴らす音が響き渡った。
「そ、そんなんじゃねえ!」
「渡辺さん。校内の事で解からない事があったら、彼に相談してね。先生は自由恋愛を応援しますからね」
転校生は顔を少し赤くしたと思うと軽く頷いた。
その二人の様子を見て、友伽里は嫌な予感と激しい嫉妬を感じていた。
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