43プトラ 決着

 よし、俺はそれに全てを賭ける……!


 俺は、亜房第二形態に背中を向けると、一気に『Hλ』と書かれた銃の方へと向かって走った。


「しまった……! あれは、『Hλ光線銃』……! そんなこと、絶対にさせないダッシー!」


 叫ぶダッシーオネェ。


 やはり、これが亜房第二形態の弱点であることは間違いない。だが、これを阻止しようと、亜房第二形態は、オネェ女、さくもオネェと相変わらずスクラムを組んだ状態で走って来た。


「「「プトラァァァ!!!!」」」


 なんであんなに走りにくそうな体勢なのに、スピードが速いんだろうか?


 本当に化け物だ。


 そもそも融合って何だろう?


 俺は、素朴な疑問を抱きつつも、ついに『Hλ光線銃』たるものを手にした。亜房第二形態は、俺のすぐ真後ろにまで迫っている。


 間に合ってくれ!


「ダンゴ……! 後ろ!」


 俺の名を呼ぶリンゴの声。分かってるさ。心配するな。俺は、必ず勝って、お前と『ハムナプトラ』を観るんだ。


 銃の引き金に指をかけ、体を亜房第二形態の方へと向ける。その距離、最早1メートルも無かった。


 だけど、俺の方が早かった。


「喰らえ!」


 俺は、亜房第二形態に向けて、引き金を引いた。銃からは、「プトプトプト」と耳を塞ぎたくなるような音が放たれる。


 目には見えないが、確実にそこから何かが出ていた。


「プ……プ……プト……プトラァァァ!!!!」


 亜房第二形態は苦しみ始めた。


 俺が引き金を引いている限りは、何かが銃から出続けている。恐らく、これが『ハムナプトラムダ』の波長だ。そして、融合と言うか、スクラムが段々と解けて来た。


 亜房、オネェ女、さくもオネェへと遂には独立し、その場へバタンと倒れてしまった。


 なんとか、亜房第二形態を倒すことが出来たようだ。


「そんな……! まさかやられるなんてダッシー!」


 後は、ダッシーオネェだけだ。


「どうやら俺らの勝ちみたいだな。もう終わりにしよう。『ハムナプトラ』に翻弄ほんろうされる、こんな世界は間違いだ!」

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