35プトラ プトラを使った残酷な拷問

「覚悟はいいダシか?」


 天井から、巨大なスクリーンが降りてきた。一体、何を始めようと言うんだ!?


「今から君らには、24『ハムナプトラ』を観続けてもらうダッシー。君らの『プトラキラー細胞』がどのように反応するのか、しっかりデータをもらうダシよ。」


 バカヤロォォォオオオ!!!!


 何だよ、その拷問!


 無茶苦茶じゃないか!


 頼む、理性が残っている今の内に殺してくれぇぇぇえええ!


 うぉぉぉおおお……!!!!


「おお! やったぁー!!!!」


 何で、リンゴは喜んでいるんですかぁぁぁあああ!!??


 おかしいでしょ!!!!


 こんな状況でも『ハムナプトラ』観たいんですか!?


 俺の願いとは程遠く、早速、『ハムナプトラ』が始まった。


 リンゴは、久しぶりの『ハムナプトラ』に大興奮している。リンゴが喜んでいる姿を見て、喜ぶことができないのは複雑な気持ちだ。


 そして一方……。


「ハムナ……プト……ラ……?」


 ナツが、画面の一点を見つめ、虚ろな表情をしている。


 すると突然……!


「プトラァァァ!!!!」


 なんと、今まで平然としていたナツが、突然『プトラ化』したのだ。世界中でたった一人の俺の味方が、たった今消えた。


 それにしても一体何故だ?


「ダシダシダシ! どうやら、『ハムナプトラ』を観たことで、体内にいた『プトラ菌』が暴走して『プトラキラー細胞』を殺したようダッシー! 恐らく、有江 ダンゴと違い、結城 リンゴとの接触が少ない分、『プトラキラー細胞』が弱かったんダッシー。」


 そんなバカな。脳筋のナツがやられるとは。


「あと、そこにいるプトラ化した猫に引っかかれた傷があるようダシね。動物実験で、動物は一般的に人間より『プトラ菌』に弱いことが分かってるダッシー。恐らく、その猫から受けた傷も致命傷になってしまったんダシよ。」


 プトラ化したナツ。


 そして、『ハムナプトラ』に興奮しているリンゴ。


 俺は今、地獄にいる。

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