27プトラ マリオカート
ナツは、アクセルを思い切り踏み込んだ。耳を塞ぎたくなるよう強烈なエンジン音と共に、ロケットスタートに成功した。
「ヒアウィーゴォォォ!!!!」
『マリオカート』でしか経験が無い割には、派手で、そして案外、巧みなハンドルさばきである。ナツは、プトラ化した人々が運転する車をひたすらに煽りながら、爆走する。
俺の脳内には走馬灯と、『マリオ』がスターを取った時の音楽が流れていた。今のところ事故は無いが、いつ死んでもおかしくない状況だ。
「『マリオカート』より簡単だね。」
「そうか、それは何よりだ。」
景色が、物凄いスピードで去っていく。一般道なのに150キロは優に超えている。
そのためか、到着までにかかる時間と、恐怖を感じる時間は、案外一瞬だった。
前方に、『
果たしてリンゴは無事なのだろうか?
ここまで自らの身の心配ばかりしてしまっていたが、『
「よし、無事に着きそうだね。この世界が元通りになったら、私、自動車免許取るよ。」
勝手にしてくれ。ハハッ!
『
リンゴと共に救急車に同乗して来た時や、お見舞いの際、プトラトークを繰り広げる女子高生がいるバスに乗った時には、この病院の規模の大きさに気づかなかった。
そして、全国的にも有名であるからこそ、この病院でどんな怪しい研究が行われていても不思議ではない。それだけの技術力は、あるのだろうから……。
ナツは、病院の中央入り口の手前で車を停車させた。俺は、心の中で改めて気合いを入れ直し、車から飛び降りた。ナツも、エンジンを止めると、せっせと降りて来る。
「よし、ナツ。行こう。」
『
俺とナツ、ライカは、病院内へと突入した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます