終わりの日曜日

エピロプトラ

『ハムナプトラ』のDVDを発見してから、ナツの家で24時間『ハムナプトラ』観賞会を行った。


 この前受けた拷問と、何も変わらない。


 リンゴは、ずっとドキドキハラハラしていた。なんでこれをずっと観ていて飽きないのだろうか?


 ナツは、俺らと『ハムナプトラ』を観ないで、『ジャンプ』をずっと読んでいた。そして、夜になると寝てしまい、俺とリンゴは徹夜で『ハムナプトラ』を繰り返し観た。


 翌朝になると、ナツは、バイト先の人達と遊んで来ると言い残し、俺らに留守番を任せた。


 ナツの家で、リンゴと二人きり。


 一応、ライカはいるが、変な感じだ。


「あ、もうすぐ『日曜洋画劇場』が始まるね! 今日は、『ダイ・ハード』だよ!」


 気付けば、もう夜だった。


 俺は、頑張った。


 リンゴは、21時前になって、漸く『ハムナプトラ』のDVDを停止させた。


 今思えば、あれから1週間が経ったのか。


 あの1週間前の『日曜洋画劇場』から、俺らの戦いは始まったのだった。長く、そして残酷な戦いであった。俺は、見飽きた『ハムナプトラ』をさらに嫌いになってしまった。


 トラウマもいい所だ。


 しかし、やっと『プトラ』の呪いから解放された。テレビを点けても、『ハムナプトラ』と言うフレーズは、一切聴こえて来ない。


 後は、リンゴが『ハムナプトラ』を見飽きてくれたら、本当に俺は何も言うことは無いのだが……。


 でも、俺はリンゴの笑顔が好きだ。


 これでいいんだ。


 とうとう時計の針は、21時を指した。


『日曜洋画劇場』の開幕だ。


『さあ、今週の日曜洋画劇場はぁ……! なんとぉ、『ダイ・ハード』を予定していたがぁ、今週もやっぱり「ハムナプトラ」を放送しちゃうぞぉ!』


『逃 ゲ 切 レ ル ト 思 ッ タ ダ シ カ ァ !?』

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