41プトラ オネあぼ

 一体、何が起こっているんだ?


 ダッシーオネェは、仲間のオネェを『プトラ化』させた。そこまでは間違いないのだが、どうやら、様子がおかしい。


「プ……プトラぁぁぁン!!!!」


「ハ……ムナ……プトラぁぁぁン!!!!」


 オネェ女と、さくもオネェはかなり苦しんでいる。


「『プトラ化』が進むと、一時的に身体能力や、知能に低下が起こるが、時間と共に、それら全ては向上して来る。そして、さらに『プトラ化』が進むと、近くにいる『プトラ菌』の保菌者と、『プトラ融合』を始める。」


 なんと突然、二人のオネェが絡み合い始めた。


 くねくねと。


 言葉では言い表せない。


 なんとも、おぞましい光景である。そして、最終的に、さくもオネェが、オネェ女を肩車した。


「融合は成功だ。」


 オェェェエエエ!!!!


 いやいや、融合じゃないでしょ!!!!


 オネェ二人が肩車しているだけじゃねぇか!!!!


「ダンゴ……。気持ち悪いわ、この人達……。」


 ホントだよ。なんだよ、これ。


 真面目な戦いになるんじゃなかったの?


「よし、その二人を片付けるんだ。融合したボクの。」


「待つダッシー。ボスも……融合するダシよ?」


 なんと、ダッシーオネェが、亜房あぼうに対しても、注射器を刺した。


「え? ダッシー、何してんの?」


「ダシダシダシ! プトラの世界を最も崇拝するのは、このアタシダッシー! ボス、裏切ってごめんダシ!」


「なん……だと……?」


 驚愕の表情を浮かべる亜房あぼう。まさかの、ダッシーオネェによる裏切り。


「ボクが……『プトラ化』……する……なん……て……! ボクの体が……『プトラ』を受け入れてしまった……! プトラァァァ!!!!」


 亜房あぼうは、完全に『プトラ化』した。そして、「プトラァァァ」と言う雄叫びに反応した肩車オネェが、亜房の元へと寄って来た。


 オネェ女が、さくもオネェの肩から降りると、二人のオネェが、亜房あぼうをこれでもかと言うぐらいに、こねくり回す。


 パンでも作っているのだろうか?


 オネェ二人が、幼さが残る青年を撫で回しているイケナイ光景だ。


 しかし、これが『プトラ融合』なのだろう。


 およそ1分ほどかけて、今度は肩車ではなく、亜房あぼうを中心としてスクラムを組みやがった。

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