8 転移後編 7
ストーンドラゴンを止めるため前線で奮闘し続ける騎士達。
だが、被害が大きくまともに動ける
対超弩級兵装ランスバンカーをストーンドラゴンに突き刺すが、皮膚が固すぎてかすり傷程度にしかならなかった。。
持ち前の重量を生かし、
そして、ファイアブレスで
もはやストーンドラゴンを止める術は無いと悟った都市防衛隊長。
「隊長!! このままでは!!」
「分かっている! クッ!! 全機、魔撃で奴の気を反らして都市から離すぞ!」
「了解!」
「リーニック! 貴様は避難しろ!」
突如隊長からリーニック若騎士が避難しろと命令が下される。
「な、なぜです!」
「まだ、生まれたばかりの子供がいるだろう? これからが大変なんだ、付き添ってやれ」
「しかし――」
「リーニック騎士よ! これは命令である!! 無視する様なら、ここで反逆罪として打ち取る!!」
リーニックは歯を噛みしめ、涙をながして鼻をすすり、
「了、解しま……した……!」
そのままリーニックが退避していくのを見届けてから、
「悪いな皆の者、貧乏くじだ」
「構いませんよ」
「死んで恨まれるのはごめんなんで」
「フッ……よし! 全機、側面に着き次第魔撃で奴の気を反らすぞ!!」
「「「了解ッ!!」」」
―――――――――
達也が急いで向かうと、突如ストーンドラゴンが横に向き足元を確認すると、都市防衛の騎士達の魔撃の光がストーンドラゴンの注意を引いていた。
「流石、都市防衛の騎士達だ……! だけど、この竜は……ッ!!」
ストーンドラゴンの真上に着いた達也はブースターを切り、メイスを構えて急降下する。
そして機体を横に回転させて、
「少し悪さが過ぎたようだなッ!!」
ストーンドラゴンの頭へ大型メイスを振り下ろした。
固い甲殻に強化された肉体のストーンドラゴン頭の甲殻が割れ、青い血が噴き出した。
だが、流石の超弩級魔獣である。強烈な一撃を放った筈が即死でなく、甲殻が割れた程度。そして、振り下ろした大型メイスは凹み、柄の部分がひん曲がった。
「コイツはもう使えないな」
メイスを投げ捨て腰の長剣を掴んで構える。
「反撃の狼煙としますか!」
ブースターを使おうとしたが先程の着地と殴った際の衝撃で不調となった。
その為、地上戦となるが都市防衛騎士団は突如現れた
「止まらないで!! 動いて下さい!!」
達也の言葉に我に戻った騎士団は足を動かしながら魔撃をストーンドラゴンに放っていく。
援護の飛び交う中、エクスカリバーは体を支えている足に攻撃を仕掛ける。
だが、固い甲殻に剣が弾かれる。
「固いな……関節部まで固いとか、ヤバイな」
振りかぶられた尻尾攻撃に対して、大きくバク中で避けてから跳躍して、ストーンドラゴンの甲羅の上に乗る。
背中に生えた低い岩に剣を突き刺そうとするが、これも失敗に終わる。
またも、尻尾が振り下ろされるがエクスカリバーには当たらず、背中の上を駆け抜けてから飛び降りる。
そして飛び降りている最中にガーゼンレイを発見して近づく。
「動くな!」
「いえ、動かないと死んでしまいますし、動きますけど。私は騎兵学園高等部1年です、この戦いに参戦させて頂きます」
「な、何!? 学園生だと!?」
「そうですね、危ないッ!!」
エクスカリバーはガーゼンレイに飛び込むとストーンドラゴンの尻尾が振り下ろされた。
すぐさま立ち上がり、走ろうとした瞬間、
そして一部のフレームが崩れ、魔鉱繊維が千切れ露出した。
「あー……無茶させ過ぎたな……魔鉱繊維かな……悲鳴を上げてるよ」
動けて後一度ぐらいだな……と思い、
「隊長さん、杖貸して貰えませんか?」
「あ、ああ……」
少し驚愕しながらも杖をエクスカリバーに渡す。
「ありがとうございます……! では、ラストアタック……行くぞ!」
そして、ストーンドラゴンもエクスカリバーに突っ込む。
ある程度走った所でストーンドラゴンの顔に張り付くと、同時に剣で割れた頭に剣を突き刺す。
しかしそれでもまだ死なないストーンドラゴン。
「だろうな。だから――」
剣を引き抜き、
「――これで終わりだ」
突き刺した剣の傷口へ杖を突き刺してから魔撃を持てる最大火力で放った。
頭部へ直接魔撃を放った事で生きる上で重要な脳を破壊され、ストーンドラゴンは即死し、そのまま倒れた。
流石のエクスカリバーももう動く事が出来ず、そのままダウン。
その後、達也は都市防衛騎士団と共に、壊れたエクスカリバーをクリスタへ運運ばれた。
達也はアーヴァンに戻り、避難していたセラは駆け寄り、涙を流しながら、抱きしめられた。
そして超弩級魔獣出現の次の日、そこまで重症では無かったカイルは無事退院後、ストーンドラゴンを単騎討伐を聞き、
「はぁ……我が
「だね、まさか空を飛ぶ
「私もそれ乗ってみようかな」
とまさかのレティの発言に驚愕するカイルとジークだが、
「無理ですよ、レティ先輩が乗ったら確実に死にます」
「あら、乗っていなのに分かるの?」
「そうですね、レティ先輩」
バインダーに着けた紙に色々書きこんだ物からレティに視線を向ける。
「
「いられる訳が無いじゃない、死んじゃうわ」
「ええ、ですから乗れません」
セラのその発言にカイル、ジーク、レティは気づいた。
「まさか、それ程の衝撃の中、平気で彼は乗っているの!?」
「まぁ、そうです。それに近い状態で居ますし、あの
それ程のじゃじゃ馬をいとも簡単に操った達也の操縦技術は言わなくても分かった3人であった。
「……まさか、俺が抜かされるとはな」
「達也はこっちに来てからずっと私の作った操縦席で特訓してきましたから、仕方ないです」
今からでもと思ったカイルだが、それでも達也には追い付けないだろう。と悟った。
「それで今回の主役の我が
「王都に呼ばれたので向かっています」
「「「え?」」」
「陛下から直々にお礼がしたいらしく、向かいました。まぁ、後程私も行きますから」
「安心出来ないな」
「そうだね……」
「はぁ……変なことを言わなきゃ良いけど……」
今ここに居ない達也へ呟く3人であった。
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