31 王位真偽戦争 4
サームクェイドが内戦を始めてから、3ヶ月がたった。
この日、達也達はオルシェンにサームクェイドがきな臭い事になっていると、聞き偵察を目的とした遠征に赴いていたのだ。
最初はサームクェイド側も見慣れぬ
その後、達也とセラ、ロイにカイル、ジーク、レティは王宮に呼ばれ馬車に乗っていた。
因みに、振り分けは勿論、
「……見慣れぬ
「そうね」
黒い
そんな2人に達也が口を開く。
「確かに、あれは見た事が無い。けど、サームクェイドの
「どうも、
「
この3人である。フフンと鼻で笑うと、門を超え王都サームクェイドに到着する。
王宮へ到着後、達也達は女王であるティアリーズ・クレン・サームクェイドと謁見。
膝を折り、頭を下げる。
「表を上げよ」
「はッ」
ゆっくり顔を上げ、初めて対面するティアリーズ・クレン・サームクェイドを一目見た時、達也は思う。
明らかに他よりもこの女王から放たれるオーラが違う。
だが、何処か違う気もする達也。
「其方たちがハーフェンの騎士団か?」
「はい、お初にお目にかかります女王陛下。私はこの騎士団、黒曜騎士団団長を務めてさせて頂いている新海達也でございます」
騎士団の名を聞き、辺りが騒々しくなる。
「あれがハーフェン最強の騎士団!?」
「まだ若いでは無いか!」
「超弩級魔獣を単騎で討伐する猛者か……!」
1人の騎士が手を2回叩くと、全員が静まり返る。
「静粛に。大事な客人でもあるのだぞ」
「良いですよ、オゥルオ。黒曜騎士団団長、既に噂ぐらいは聞いているかも知れませんが、どうか聞いては貰えないでしょうか?」
「お聞きいたしましょう」
「実は……今この国では2つの勢力に分かれています。反サームクェイドとサームクェイド同士の争いです」
「なるほど?」
「実は反サームクェイドには……私の偽物がいるのです」
女王陛下の発言に再び騒々しくなる。
再び同じ騎士が手を叩き、辺りを静寂に包ませた。
「諸悪の根源です……この内戦のせいで民は怯えています……。どうか、どうか……貴方達のお力をお貸ししては頂けないでしょうか?」
頭を下げながら言う女王陛下に達也は口を開く。
「……女王陛下、その件は即座に決める事が難しくあります故、どうか1日、お時間を頂けないでしょうか?」
「構いません。貴方方が、我が国の為に力を貸してくれると、信じております」
「善処してまいります。それと私からも1つ聞いても宜しいでしょうか?」
この発言を聞いた瞬間、その場に居合わせたセラ以外の騎士達は、嫌な予感がすると感じ取った。
「この国には見慣れぬ
「ふむ、それはまだ話せぬ」
「……何故でしょうか?」
「これは重要な情報ですので……貴方方が協力関係になった時に話せて頂きます」
「承知いたしました。では、私達はこれで失礼いたします」
一礼してから立ち上がり、女王陛下に背を向けその場を去る。
城から出た達也達は用意された宿で集会を行った。
「達也……頼む……これ以上心臓に悪い事をしないでくれ……」
頭を抱えながら言うカイルに達也は首を傾げた。
「そんな可笑しい事聞いたかな?」
「ああ、十分に聞いてたぞお前……」
呆れた顔で言うロイ。そして少し空気が重くなるが、達也にはそんなの関係は無かった。
「ふーむ……どうも、陛下の言っていた、きな臭さがあるなぁ……」
女王陛下と対面した達也だが、きな臭さが残るのであった
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