48 王位真偽戦争Ⅱ 10
格納庫へ急ぐロイとアメリア、アイリス、ティアの3人。
そもそも何故格納庫に向かっているのか分からない3人である。
気になりだしたアメリアは口を開く。
「ロイ君!」
「はい! 何でしょう!」
「な、何故! 格納庫何だい?」
「
「何故だい?」
「生――ッ!!」
通路の曲がり角でロイが静止してから、3人へ手のひらを向け同じく静止させる。
通路の角からゆっくりと顔を出すロイ。
すると、通路には騎士2名が話し合っていた。
「王女を探して見つけ次第殺せ」
「分かってるさ」
会話の内容が聞こえ、ロイはいつでも剣を取り出せるようにし。
それから光の魔法を銃に予めセットする。
タイミングを見計らった後、騎士の恰好をしている暗殺者が二手に分かれる瞬間に、ロイが姿を現す。
走るのでは無く、何事も無かったかのように。
「これは補佐代理! 何故こんな所に!!」
「そうです! それよりも賊です! 賊が侵入しております!」
「そうか……」
「はい!」
「ですので、我らがお守りしますので、さぁ! こちらへ!」
ロイを案内しようとした瞬間、魔銃を取り出し、
「フラッシュ」
光魔法を放つ。突如眩い光に襲われた暗殺者2人は一時的に視力を失う。
その隙にロイは剣を取り出し、暗殺者1名を切り伏せる。
もう1人に勢いよく近づき、
瞬時に2人を倒すロイ。
「皆さん、行きましょう」
ロイの掛け声と共に通路から現れ、格納庫へ急ぐ4人。
ある程度近づいた所で、見知った顔が姿を現した。
「――ッ!!」
「――ッ!」
互いに剣を抜いてから認識する。
「ロイ、君……か?」
「ベルクラースさん……黒き
「意思の堅さを示す」
2人は近づき笑顔で握手を交わす。
「良かった、本物で」
「奴ら、こちらの恰好してますからね……」
と会話していると、3人が顔を出す。
ティアはベルクラースを見ると、目に涙を貯めながら駆け寄った。
「ベルクラース!」
「陛下、ご無事で何よりです」
「ええ、ロイが守ってくれたから」
「はい、存じております。ロイ君、改めてありがとう」
「ベルクラースさん、まだ早いです。とりあえず、暗殺者を退けましょう」
「そうですね。では、アメリア様、アイリス様こちらへ」
「わ、私は!?」
「陛下には、彼がいます」
ベルクラースが視線でロイの方へ向く。
すると、ティアはロイの方を見てから、ベルクラースの方へ再び振り返る。
「2人をお願いします、ベルクラース」
「はい、お任せを」
一言言い伝え、ティアはロイの元へ駆け寄った。
「ベルクラースさん、
「しっかり、運んであるさ」
「じゃあ、急ぎましょう」
「ちょっとお待ちなさい」
何故かアメリアがロイとベルクラースを呼び止める。
2人は振り返り、
「どうしましたか?」
「ベルクラース、何故格納庫なのですか?」
「
「何故、
「
「どういう?」
「生身では毒の付いたナイフ、弓矢に当たれば死んでしまいます。
「なるほど……それで私達の護衛が貴方達、2人って事ね」
「そう言う事になります」
ベルクラースが説明を終えるとロイが頷く。
2人を見てから交差する。
一度目を閉じ、再び開けてから、
「護衛、頼むぞ」
「「了解!!」」
3人を護衛する為、格納庫へ入った5人。
格納庫にはエクサリア2機が既に準備されており、その周りにもエクサリアに騎乗した騎士達が護衛をしていた。
ロイはヴァルキスに騎乗し、ベルクラースは
アメリアとアイリスは2人で1機、ティアは1人で1機。
各自、
それをヴァルキスの両肩と両腰に2つづつ装備した。
その後、アイリスはエクサリアに乗り込む。
「こちら黒曜騎士団団長補佐代理ロイ、各員へ通達する。王女の護衛は自分1人で十分だ、付いてこなくていい」
その発言に衝撃が走る。
「もし、着いてくるようであれば、容赦なく攻撃する。これは警告と信頼だ。王女を守りたいと言う気持ちがあるなら、着いてこないでくれ……以上」
ロイの通信を最後に、エクサリアに搭乗する騎士達はヴァルキスとティアの乗るエクサリアを見届けた。
既に日は落ち、ベルクラースとロイは急ぎ、グレイプニールへ戻らんと走らせる。
辺りが暗くなっていく中、搭乗席から映る映像に目を凝らせながら向かう一行。
そして、悪意に満ちた魔の手がロイ達一行へ放たれた。
森林を駆け抜けている最中である。突如、大岩が目の前に投げ込まれた。
一行は急停止し、ティアとアメリア、アイリスの護衛に入る。
すると、エンキドゥとエクトールの15機が姿を現した。
―――――――――
森林にて、ロイ達一行を陰で観察する集団。
『こちら01、戦闘開始』
「了ォ解……引き続き観察を続行せよ」
『ハッ……援護はどういたしましょう?』
「フッ……状況次第だ。だが、相手の実力次第では各自判断してよし」
『了解、アウト』
影牙騎士団である。団長であるロゥエンはロイ達の実力を知りたかった。
一番は任務遂行の為である。
「さぁて……たった1機、それも噂の白き死神の
月夜にほくそ笑むロゥエンであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます